国連人口基金が今年4月に発表した「世界人口白書2021」によると現在、世界の人口は約79億人──。その中の約4分の1にあたる20億人が共通して食べていて、日本でもいま話題になっている意外なものがある。それは昆虫だ。
世界の昆虫食事情に詳しい昆虫ライター・ムシモアゼルギリコさんは、世界で昆虫食が注目されたきっかけをこう推察する。
「伝統食材として採取昆虫を食べる文化は世界中で古くからありますが、日本でも‘13年に国連食糧農業機関がいずれくる食糧危機の解決策として昆虫食を候補に挙げたことで、未来の食資源の一つとして再注目されています。国内では昆虫食の自動販売機も登場するなど、今後注目度がさらに高まっていきそうです」
日本でも地域によってはイナゴや蜂の子などを食べる習慣があるとはいえ、日本はさほど食糧に困っておらず、いますぐに昆虫に頼る必要性は感じられない。そんな中、日曜劇場『ドラゴン桜』(TBS系)に出演中の長澤まさみ(33才)は、実は前から昆虫食を生活に取り入れてきた。
2020年7月放送の『痛快TV スカッとジャパン』(フジテレビ系)で、長澤は、ある昆虫食を「お取り寄せして家でよく食べています」と仰天発言。その昆虫食とはコオロギラーメン。一杯のラーメンになんと約100匹のコオロギが使われているという本格的な昆虫食だ。
長澤がコオロギラーメンを好きになるきっかけは、その発言から遡ること約1年半。2019年11月に放送された『櫻井・有吉THE夜会』(TBS系)で、「美味しい昆虫食が食べたい」という長澤の要望で出てきたのがコオロギラーメンだった。いざ食べると「美味しい」と絶賛し大喜び。食べる前から「コオロギはたんぱく質が豊富なんですよね」と栄養価まで知っていたほどの熱の入れようだった。
長澤はたんぱく質へのこだわりを、過去に雑誌のインタビューでも明かしている。
《爪も髪も皮膚も全部たんぱく質から成り立っているので。(中略)良いたんぱく源を持つ食材を調べて食べるのが楽しい》
たんぱく質といえば、肉や魚、卵、大豆製品などに多く含まれるが、長澤はどうやらわざわざコオロギを選んだようである。前出のムシモアゼルギリコさんの解説。
「コオロギ粉末は、豚のもも肉に対してタンパク質が約3倍というデータもあります。茹でただけで香ばしく、味も穏やかで外皮が柔らかいので、どんな料理にも合います。エビに似た風味があり、食べやすいことからレパートリーは豊富で、ラーメンの他に無印良品の『コオロギせんべい』や敷島製パンの『コオロギのバケット』などの関連商品がたびたび話題になっています」