今年1月で所属していた「石原プロモーション」が解散し、新たに「舘プロ」を立ち上げた舘ひろしさん。石原プロでは、おはぎの差し入れが定番だったが、舘プロの初ミーティングの議題も「おはぎについて」だったという。
被災地慰問やロケ現場で焼きそばや豚汁、ぜんざいなどを石原プロの面々が振る舞う「炊き出し」。スターたちが料理の腕を競い合う真剣勝負の場だったが、なかでも舘さんの作るぜんざいは大好評だった。
「小林専務が別の鍋でぜんざいを作っていたときに、ぼくの鍋と食べ比べた渡(哲也)さんが『こっちの方が、おいしいな』って(笑い)」(舘さん・以下同)
敬愛する先輩が太鼓判を押したぜんざいは「おふくろの味」だ。
「母にとって姑である祖母に教わり、婚家の味を受け継いだ甘さ控えめでさっぱりした味わいです。料理が苦手な母でしたが、ぜんざいは特別においしかった」
東日本大震災後、宮城県・石巻で行われた炊き出しでも、舘さんはぜんざいの調理を担当。渡哲也さんも認めた舘家に伝わるぜんざいのこだわりを、味つけからあずきの煮加減まで教えてもらった。
【ポイント1】あずきは一晩水に つけてふっくらさせる
「炊き出しのときも、あずきは一晩水につけておきます」。吸水させることで、短時間でもあずきがふっくらと煮上がる。
【ポイント2】白砂糖を使い、甘さは控えめに
「ザラメを使う人もいますが、ぼくは普通の白い砂糖を使うのがこだわり。甘さ控えめの、さっぱりした味に仕上がります」
【ポイント3】甘みを足すときは水飴を使う
「塩を入れた後に甘みを足したいときは砂糖ではなく水飴を使うといい。小林専務直伝の方法です」
【ポイント4】あずきは粒を残し、汁はさらっと多め
「煮加減は、あずきの粒がしっかり残っていて、汁はさらっと多め。小さめの四角い焼餅を加えれば、舘家のぜんざいの完成です」
【ポイント5】仕上げに塩を入れて味を決める
「ちょうどいい甘さになったら、塩をひと振りして味を調える。塩を入れた後はどんなに砂糖を足しても甘くならないから慎重に」
【プロフィール】
舘ひろし(たち・ひろし)/1950年愛知県生まれ。1976年に映画『暴力教室』でデビューし、『あぶない刑事』シリーズなど話題作に出演して人気を博す。2020年秋に旭日小綬章を受章。現在は2021年4月に立ち上げた新事務所『舘プロ』で所属俳優第1号として活動。
撮影/LUCKMAN
※女性セブン2021年5月20・27日号