コロナ禍となり、自身の健康に目が向くようになった方も多いのではないだろうか。そんな中で注目されているのが、あずきだ。
甘党にはたまらないあずきだが、健康効果も期待できるという。
「あずきの発祥地は中国の雲南省といわれていますが、近年の遺伝子解析の結果、6000年以上前に日本のあずきは独自に分化したことがわかってきました」
あずきは日本古来の食品だと、名寄市立大学栄養学科教授で「あずき博士」の加藤淳さんは話す。
「現在、国内のあずき生産は北海道が9割を占めています。その品質は非常に高く、世界でもトップクラス。さらに、含まれる栄養の成分量も優れています」(加藤さん・以下同)
あずきの特徴でまず挙げられるのが、豊富な炭水化物と食物繊維。
「炭水化物は、でん粉としてあずきの約50%を占めます。茹でると水を吸って膨らみ、温度が上がると粒状のまま糊化します。あずきが含有する炭水化物は特別で人の消化酵素では分解できないため、ほぼカロリーに換算されません。
食物繊維はごぼうの4倍。胆汁酸や塩類、脂肪を吸着して排出することで、デトックス効果や発がんリスクの低下が期待できます。さらに、煮ると食物繊維が50%増えるのも、大きなポイントです」
ポリフェノールが廊下や血圧上昇を防止
砂糖の甘みもあんこの魅力。健康効果は薄れると思われがちだが、あずきのポリフェノール効果で、洋菓子よりも血糖値の上昇が抑えられる。
「北海道産のあずきには、赤ワインの1.5~2倍のポリフェノールが含まれており、中国産あずきよりも2倍以上抗酸化力が高いため、和菓子で摂っても血糖値の上昇は緩やか。さらに、細胞を損傷する活性酸素を消去するので、老化予防にも効果的です」
鉄分はほうれん草の2.7倍、高血圧予防の味方カリウムも豊富に含まれている。
「あずきには無限の可能性があります。ぜひ、毎日の食事に取り入れてください」
※女性セブン2021年5月20日・27日号