新型コロナウイルイス感染拡大による緊急事態宣言によって、多くの国民が自粛生活を強いられている。そんななか、“自粛破り”をした不祥事議員の自民復党計画が、着々と進んでいるようだ。
菅義偉・首相は4月25日のトリプル選や千葉県知事選、名古屋市長選に連敗。9月のパラリンピック閉会後に解散となる流れだ。
不祥事で辞任や離党が相次いだ自民党は、空白区での候補者選びを急ぐ。
自民党神奈川県連は、「夜の銀座」問題で議員辞職した遠山清彦氏(公明党)が出馬予定だった神奈川6区で候補者を公募し、菅首相に近い横浜市議を擁立する。
港区の高級会員制ラウンジに同伴出勤していた白須賀貴樹氏の千葉13区でも、千葉県連が公募で医師の新人擁立を決めた。
ところが、自粛破りで自民党を離党した「銀座豪遊3人衆」の松本純・元防災相(神奈川1区)、田野瀬太道・元文部科学副大臣(奈良3区)、大塚高司・元党国対副委員長(大阪8区)の地元では、なぜか代わりの候補を公募する動きが全くない。
自民党神奈川県連は、「1区では公募をするか決まっていない」、大阪府連と奈良県連も、「党本部から何の指示もない」と説明する。
「マツジュン(松本氏)は麻生太郎・副総理の側近中の側近。国対委員長代理を務めていたから二階俊博・幹事長とも関係がいい。次の総選挙で当選さえすれば党から追加公認されるのだろう」(自民党国対関係者)
自民党選挙対策本部に質問すると、「3人の選挙区に公認候補を立てないと機関決定しているわけではない。そもそも自民党ではまだ衆院選の正式な公認候補は1人も決まっていない」と木で鼻をくくったような回答。
有権者は選挙まで、怒りを忘れてはいけない。
※週刊ポスト2021年5月28日号