国内

GWの土曜に売上660円… 長引く外出自粛へのタクシー運転手の嘆き

GW明けの週末、ベテランタクシー運転手に話を聞いた

GW明けの週末、ベテランタクシー運転手に話を聞いた

 緊急事態宣言下のゴールデンウィーク、3度目の発出ともなれば「またか」の感覚が生まれても不思議ではない。人の流れは1年前に比べて増えたというが、果たして実際はどうだったのか。連休明けの週末、東京の街を見つめ続けるベテラン運転手のタクシーに同乗し、その様子をリポートする。

 5月8日土曜日20時を回った頃、新宿・伊勢丹前の交差点で乗り込んだ個人タクシーのハンドルを握るのは、乗務歴23年の守川和義さん(仮名・58)。連休の街の様子を尋ねると、肩を落としてこう話す。

「恥ずかしいから言いたくないんだけど、5月1日の土曜はお客さん1人だけ、売り上げ660円。気の毒に思ったのか、1000円札を出して『お釣りはいいです』って(笑い)。結局3時間粘ったけど、頭にきて家に帰っちゃった」

 走るのは夜間なので、飲食店の営業時間短縮に続き、酒類の提供が禁止になったことで客足がぱったり止まったという。現在の収入はコロナ前の3分の1に落ち込み、生活は苦しい。

「自粛を求めるなら、きちんと補償してほしい。飲食店は目立つ業界だから手厚いけど、タクシーは注目されないからこぼれ落ちてる。去年は個人事業主向けの支援金100万円の給付があったから思い切って仕事を休んだけど、今回は30万円。焼け石に水だから働くしかないんです」

 翌9日、この日は乗務歴19年の横溝勝さん(仮名・59)のタクシーに同乗、北千住駅から上野を抜けて、日本橋に向かった。

「毎年上野公園は入口から噴水まで大混雑ですが、今年は全然でした」

 浅草・雷門に来ると観光客らしき人の数も増え、賑わいが伝わってくる。

「いやあ、普段はこんなものじゃありませんよ。GWともなればこの5倍はいる。こんなのガラガラといっていい。仲見世通りの店も閉めているし、インバウンドに頼りすぎたツケが回ってきたんでしょうね」

関連キーワード

関連記事

トピックス

違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
「よだれを垂らして普通の状態ではなかった」レーサム創業者“薬物漬け性パーティー”が露呈した「緊迫の瞬間」〈田中剛容疑者、奥本美穂容疑者、小西木菜容疑者が逮捕〉
NEWSポストセブン
1泊2日の日程で石川県七尾市と志賀町をご訪問(2025年5月19日、撮影/JMPA)
《1泊2日で石川県へ》愛子さま、被災地ご訪問はパンツルック 「ホワイト」と「ブラック」の使い分けで見せた2つの大人コーデ
NEWSポストセブン
男が立てこもっていたアパート
《船橋立てこもり》「長い髪に無精ヒゲの男が…」事件現場アパートに住む住人が語った“緊迫の瞬間”「すぐ家から出て!」
NEWSポストセブン
大阪・関西万博で「虫が大量発生」という新たなトラブルが勃発(写真/読者提供)
《万博で「虫」大量発生…正体は》「キャー!」関西万博に響いた若い女性の悲鳴、専門家が解説する「一度羽化したユスリカの早期駆除は現実的でない」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《美女をあてがうスカウトの“恐ろしい手練手管”》有名国立大学に通う小西木菜容疑者(21)が“薬物漬けパーティー”に堕ちるまで〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者と逮捕〉
NEWSポストセブン
江夏豊氏が認める歴代阪神の名投手は誰か
江夏豊氏が選出する「歴代阪神の名投手10人」 レジェンドから個性派まで…甲子園のヤジに潰されなかった“なにくそという気概”を持った男たち
週刊ポスト
キャンパスライフを楽しむ悠仁さま(時事通信フォト)
悠仁さま、筑波大学で“バドミントンサークルに加入”情報、100人以上所属の大規模なサークルか 「皇室といえばテニス」のイメージが強いなか「異なる競技を自ら選ばれたそうです」と宮内庁担当記者
週刊ポスト
前田健太と早穂夫人(共同通信社)
《私は帰国することになりました》前田健太投手が米国残留を決断…別居中の元女子アナ妻がインスタで明かしていた「夫婦関係」
NEWSポストセブン
子役としても活躍する長男・崇徳くんとの2ショット(事務所提供)
《山田まりやが明かした別居の真相》「紙切れの契約に縛られず、もっと自由でいられるようになるべき」40代で決断した“円満別居”、始めた「シングルマザー支援事業」
NEWSポストセブン
新体操「フェアリージャパン」に何があったのか(時事通信フォト)
《代表選手によるボイコット騒動の真相》新体操「フェアリージャパン」強化本部長がパワハラ指導で厳重注意 男性トレーナーによるセクハラ疑惑も
週刊ポスト
1990年代にグラビアアイドルとしてデビューし、タレント・山田まりや(事務所提供)
《山田まりやが明かした夫との別居》「息子のために、パパとママがお互い前向きでいられるように…」模索し続ける「新しい家族の形」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
【国立大に通う“リケジョ”も逮捕】「薬物入りクリームを塗られ…」小西木菜容疑者(21)が告訴した“驚愕の性パーティー” 〈レーサム創業者・田中剛容疑者、奥本美穂容疑者に続き3人目逮捕〉
NEWSポストセブン