親にとって子供は何歳になっても可愛いもの。しかし、いくら子供だといっても、許せる範囲には限度がある。60才パートのAさんは、離婚して出戻ってきた32才の娘が“モンスター化”して困っている。Aさんが実体験を明かす。
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32才になる一人娘が一昨年、離婚して出戻ってきました。原因は夫の浮気だったため、意気消沈する娘があまりに不憫で、私たちもアレコレ世話を焼いていました。その甲斐あって、1年もすると元気が戻り、
「やっぱり実家が最高だわ」
と、笑顔を見せるように……。元気になってくれたのはうれしいんだけど、そりゃ最高でしょうよ。だって、家にお金は一切入れず、収入は全額、大好きなアイドルのグッズの購入費用に。家事も一切やらず、食っちゃ寝状態。朝なんて、私が夫の朝食と弁当を作っている脇で、
「ママ〜、私はトーストとサラダ、ヨーグルトでいいから。コーヒーはカフェオレで。簡単な朝ご飯で親孝行でしょ」
なんてぬかすんです。簡単なら自分で作れっていうの。さらに、ドライヤーだの加湿器だのと家電をよく使うから、電気代が月5000円以上アップ……(怒)。堪忍袋の緒が切れ、家にお金を少しでも入れるように伝えると、
「いまはないから、代わりにママたちのスマホを安いプランに変えてあげる」
と、私たち夫婦のスマホの契約を変え、家族割を設定。確かに1人当たりの金額は安くなったのですが、明細書を見ると、娘のスマホ代まで私たちが払う契約になっていたんです。
この一件があってから、心を鬼にして娘を追い出すことにしました。口で言っても聞かない娘ですから、家の居心地を悪くする作戦をとることに。たとえば、寝ている間にエアコンの設定温度を寒い日は低く、暑い日は高くしたり、湯を沸かそうと電気ポットのスイッチを入れたら、気づかれないように切って、湯が沸かないようにする。出かける日は車の鍵を隠す、お気に入りのハイヒールに犬のフンを入れておく、など……。
1年コツコツ続けた結果、ついに、ひとり暮らしをしてくれることに。しかし、夫婦で手を取り合って喜んだのもつかの間。娘が出て行って数日後、
「お金がないから夕飯食べに行っていい?」
とメールが。これを許すと元の木阿弥。いまのところ断っていますが、メールが来るたびにストレスになっています。
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2021年6月3日号