3試合連続本塁打でメジャートップの14号、その翌日(5月19日)に先発──大谷翔平(26)の“二刀流”が、世界を驚かせている。
大谷の活躍と反比例するかのように低調なのがエンゼルスのチーム成績だ。今季18勝24敗の「借金6」で地区4位(5月19日現在)。中継ぎ陣はリードを守り切れず、打線もピリッとしない。「メジャー最高スラッガー」との呼び声高い3番打者マイク・トラウトがケガで離脱してからはまさに大谷の孤軍奮闘で、今後は申告敬遠される場面が増えそうだ。
大谷は“費用対効果”もメジャーナンバーワンだろう。昨年までのケガの影響もあり、年俸は2年総額850万ドル(約9億2700万円)。2021年の年俸はわずか300万ドル(約3億2700万円)となっている。
現在3番を打つアンソニー・レンドンが今季2807万ドル(約30億6000万円)、8本塁打のジャスティン・アップトンが2300万ドル(約25億700万円)。2勝・防御率4.80の投手、ライセル・イグレシアスが912万5000ドル(約9億9500万円)であることを考えても、投打で彼らの成績を上回る大谷の年俸は明らかに“安すぎる”といえそうだ。
スポーツジャーナリストで「J SPORTS」MLB解説者の出村義和氏がいう。
「エンゼルスはトラウトと2019年に12年総額4億2650万ドル(約465億円)の大型契約を結びましたが、投打ともに活躍する大谷の場合、2022年オフの契約更改ではそれと同等、もしくはそれ以上の巨額を提示しなければならない可能性があります。
集客力と実力を兼ね備えた大谷は、エンゼルスにとってヤンキースなど他球団に奪われたくない存在。すでにシーズン序盤、メジャー通算662本塁打で年俸3000万ドル(約32億7000万円)のアルバート・プホルズを放出しましたが、今オフは費用捻出のためにパッとしない大物選手が続々リストラされるかもしれない」
エンゼルスの惨状を受け、放送局CBSスポーツのプロデューサー、マシュー・コカ氏は「大谷を移籍させろ! エンゼルスには良すぎる選手だ」とツイートした。2年後、札束が飛び交う「大谷大争奪戦」が展開されそうだ。
※週刊ポスト2021年6月4日号