5月場所直前にキャバクラに出入りしていたことが週刊文春で報じられ、日本相撲協会への虚偽報告などもあったことから厳罰処分が下されるとみられているのが、大関・朝乃山だ。
「昨年7月場所で同様にキャバクラ通いが発覚した阿炎が、『出場停止3場所』『5か月間報酬減額50%』の処分を受けた前例がありますが、朝乃山はもっと重い処分になるのではないか。大関という協会の看板力士の地位にありながら、あまりに軽率な行動だったし、“同じ処分内容では、阿炎ほど重い罰にならない”という問題もある」(協会関係者)
どういうことか。
3場所連続出場停止で阿炎の番付は東前頭5枚目から西幕下56枚目まで落ちたが、大関の朝乃山が同じ処分だと、そこまで番付は下がらないのだ。
「仮に3場所の出場停止だと、来場所がカド番大関、その次の場所で大関から陥落して関脇、さらに翌場所が全休でもせいぜい幕尻か十両上位に落ちるだけ。大相撲の世界では、十両と幕下で天と地ほどの差がある。幕下には給金がないし、マゲの大銀杏は許されず、土俵で色つきの締込もつけられない。阿炎にはそういう屈辱的な罰だったわけだが、朝乃山も同様の境遇で反省させたほうがいいでしょう。そのため4場所以上、場合によっては1年の出場停止でもいいという声が出ている」(同前)
その場合、迷惑なのは幕下力士たちだろう。3月場所から復帰した阿炎は、2場所連続して7連勝で優勝。来場所は十両に復帰するが、力が衰えたわけでもない幕内上位経験者が相手では、幕下力士は歯が立たないのだ。
「幕下の優勝賞金は50万円で、給金がない幕下力士には喉から手が出るほど欲しいカネです。しかし、2場所連続で阿炎にかっさらわれたうえに、次は朝乃山が落ちてくるとしたらたまったものではない。実力差がありすぎるとケガがないかも心配です」(若手親方)
どんな処分内容であれ、角界のお荷物になってしまったわけだ。
※週刊ポスト2021年6月11日号