再放送では異例の数字となった。4月3日に心不全で亡くなった田村正和さん(享年77)の追悼特番として放送された『古畑任三郎ファイナル~ラスト・ダンス~』(5月21日フジテレビ系)が、平均世帯視聴率13.4%を記録。
〈いまだに色褪せない〉〈あらためて全話見直したくなった〉など、放送後はSNSに興奮の声が溢れた。
フジ系列の関西テレビでは5月24日からシリーズ第3弾の再放送がスタートしたが、局側が頭を悩ませているのが「再放送できない回」があることだという。
「SMAPが犯人役を演じた2時間スペシャル『古畑任三郎 vs SMAP』(1999年)がそのひとつ。グループが解散したいま、再放送の許可を取るのが困難で、幻の回となっています」(フジテレビ関係者)
意外なところでは風間杜夫が犯人役を演じた『間違われた男』(1996年)だ。
「犯人が殺した被害者に“なりすます”一風変わった物語です。シリーズ通して唯一全編コメディタッチで描かれた回で、古畑ファンの間では“隠れた傑作”と高い評価を受けています。
ネックになったのは、劇中でアニメ『サザエさん』のオープニング映像が流れること。原作者の長谷川町子さんが亡くなったこともあり、権利関係上再放送の許諾を取るのが難しいんです。『サザエさん』のオープニングは古畑の推理の重要なカギなので、カットするわけにもいかず、再放送を見送っています」(同前)
フジテレビの動画配信サービス『FOD』のホームページ上でも、この回は〈権利上の都合により配信はございません〉と記載されている。
天才警部補でも解決できない難題があった。
※週刊ポスト2021年6月11日号