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湿気対策で「窓開け」は逆効果になることも 有害物質への配慮も必要

(写真-/GettyImage)

湿度対策には窓を開けたくなるが…(写真/GettyImage)

 じめじめとした湿気と戦う梅雨の季節。毎年、対策に頭を悩ませている方も少なくないのでは? 新鮮な空気でカラッとさせようと窓を開ける方もいるかもしれないが、湿気対策ではそれがマイナスに転じることもある。日本大学理工学部助教で一級建築士の井口雅登さんはこう語る。

「外気の条件を分析すると、実は、とてもカビが生えやすい条件なのです。天気予報などで『湿度100%』と表示されているのを見たことがあると思いますが、そういう空気を室内に呼び込むと、リビングでもカビの菌糸が伸びるくらいの悪環境になります。

 外気の湿度が60%より高いときと、湿度は低くても外気温が室内よりも高いときは、窓開けは最小限にして室内を除湿した方がいい」(井口さん)

 東京都立大学名誉教授で医師の星旦二さんも言う。

「外気にはさまざまな粉塵やPM2.5などの有害物質も含まれています。ただ換気すればいいわけでなく、これらへの配慮を忘れてはいけません」

 換気の問題点をすべて解決するのは難しい。目指すべきは「一元管理」だと星さんが続ける。

「空気を取り入れる場合は、しっかりしたフィルターをつけ、冷気や熱は逃がさず、粉塵や雑菌だけは外に出すような、すべての部屋を一元的に管理できる空調システムが最も理想的。

 したがって、1つの住宅に優れたエアコンを1台設置し、フィルターを通して清潔な空気を取り入れ、室内全体に行き渡るようにすれば、部屋ごとの温度も湿度も均一になります」

 エアコンは、肌寒い梅雨時期なら除湿、暑くなってきたら冷房に切り替えればいい。広島工業大学環境学部建築デザイン学科准教授の宋城基さんはこう加える。

「いずれのモードでも、室内の空気を取り込んで冷やし、空気中の水分を減らす働きは同じです」

 夜はエアコンを消す家庭も多いが、寝苦しいほど暑い日は熱中症の危険もあるので、つけっぱなしにしよう。

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