スポーツ

46歳“神職スナイパー” クレー射撃五輪代表を射止めた「信じる力」

あれdが

“神職スナイパー”の石原奈央子選手

 いよいよ開幕が迫る東京五輪。プロアスリートして競技にのみ専念し腕を磨く選手がいる一方、「神主×クレー射撃選手」という異色の経歴を持つ選手がいる。“神職スナイパー”として活躍する石原奈央子選手に東京五輪への思いを取材した。

 * * *
 柔道や体操のように、幼少期から競技を始め、10年、20年をかけて東京五輪に出場するアスリートが多数の一方で、銃所持の規制上、日本では免許を取得できる20歳からしか競技を始められないのがクレー射撃だ。そして、選手寿命が比較的長い競技ともいえる。

 46歳にして2016年のリオ大会に続く二度目の五輪を迎えるのが、スキートに出場する石原奈央子だ。所属の古峯神社は栃木県鹿沼市で1300年続く由緒ある神社であり、彼女の実家。日本庭園が広がる敷地内には、明治6年(1873)年から狩猟を稽古する射撃場があり、現在はクレー射撃の練習場となっている。

 古峯神社で84代目の宮司を務める石原の父・敬士氏はやはり、クレー射撃の名手で、1968年のメキシコシティー、1980 年のモスクワの両大会で五輪代表となりながら、競技団体の不祥事や日本のボイコットで辞退することになった幻のオリンピアンだった。

 父の果たせなかった夢を、娘が継ぐ。そんな使命から競技を始めたのだろうか。

「いえ、まったく(笑)。両親からクレー射撃をやりなさいと言われたことは一度もなかったです。射撃の免許を取得したのは23歳の頃。ただ、イギリスに留学していたので、腰を据えて射撃競技に向かうことはなく、本格的に競技を始めたのは30歳を過ぎてからです。『やるからには五輪を目指したい』という思いを抱え、当初から2020年の東京大会に照準を合わせていました。東京に向けて経験を積む過程で、リオ大会に出場することができた。選手たちの目の色が他の大会とは違っていて、五輪特有のピリピリ感というか、緊張感があり、父がこの雰囲気を味わえなかったことはすごく残念なことだったと実感しました」

 結果は予選落ち。あれよあれよという間に時間が過ぎ、あまり記憶に残っていない。

関連記事

トピックス

被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
フジテレビの取締役候補となった元フジ女性アナの坂野尚子(坂野尚子のXより)
《フジテレビ大株主の米ファンドが指名》取締役候補となった元フジ女性アナの“華麗なる経歴” 退社後MBA取得、国内外でネイルサロンを手がけるヤリ手経営者に
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(時事通信フォト)
《「心神喪失」の可能性》ファストフード中学生2人殺傷 容疑者は“野に放たれる”のか もし不起訴でも「医療観察精度の対象、入院したら18か月が標準」 弁護士が解説する“その後”
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバムと住所・職業不詳の谷内寛幸容疑(右・時事通信フォト)
〈15歳・女子高生刺殺〉24歳容疑者の生い立ち「実家で大きめのボヤ騒ぎが起きて…」「亡くなった母親を見舞う姿も見ていない」一家バラバラで「孤独な少年時代」 
NEWSポストセブン
6月にブラジルを訪問する予定の佳子さま(2025年3月、東京・千代田区。撮影/JMPA) 
佳子さま、6月のブラジル訪問で異例の「メイド募集」 現地領事館が短期採用の臨時職員を募集、“佳子さまのための増員”か 
女性セブン
〈トイレがわかりにくい〉という不満が噴出されていることがわかった(読者提供)
《大阪・関西万博》「おせーよ、誰もいねーのかよ!」「『ピーピー』音が鳴っていて…」“トイレわかりにくいトラブル”を実体験した来場者が告白【トラブル写真】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《広末涼子が釈放》「グシャグシャジープの持ち主」だった“自称マネージャー”の意向は? 「処罰は望んでいなんじゃないか」との指摘も 「骨折して重傷」の現在
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン