コロナ禍のステイホーム生活の中で、家の汚れが気になった人も少なくないのではないだろうか。家の中を快適に過ごしたいと思う一方で、面倒臭さも……。知的家事プロデューサー・本間朝子さんはこう言う。
「掃除は料理や洗濯に比べて、つい後回しにしがちですが、汚れをためると、余計な手間と時間がかかるため、“面倒な家事”となります。この“掃除は大変”という意識がある人ほど、掃除のための時間をつくろうとします。そうして身構えてしまうと余計にやる気がなくなるので、普段の暮らしの中に掃除をうまく組み込むのがおすすめです」(本間さん)
たとえば、家の中を移動するついでにフロアモップを持って床を拭く、洗面所を使った直後にスポンジでさっと拭う、使用済みタオルで洗面台や蛇口を拭くなどだ。一つひとつの作業はなるべく簡単にできるよう細分化し、それを習慣にすると、家族も続けやすい。
そこで、普段の掃除の手間を軽減させるメソッドを家事の達人に聞いた。
ゴミ箱の数を減らしてゴミは集めない
「ゴミ箱は一家に1個にし、家族が必ず通る廊下などに置いておくと、ゴミ集めをせずにすみます」(シンプルライフ研究家 マキさん)。
洗面所や台所ではビニール袋や紙袋をその場限りのゴミ袋とし、作業が終わったら共通のゴミ箱にその都度捨てればいい。
排水栓はわざわざ分解して掃除しない
「排水口に設置されているポップアップ式排水栓は使わず、100円均一ショップなどで売られている『排水口ゴミ受け』に交換を。複雑な構造の排水栓は洗うのが大変ですが、ゴミ受けならたまったらすぐ捨てればいいので楽」(本間さん)
家具は固定せず可動式にする
「大きめの家具にはキャスターをつけておくと、掃除のたびに動かせ、隙間にたまったほこりの掃除がしやすくなります」(本間さん)
いつでも掃除ができるように掃除道具はしまわない
「掃除機やフロアモップなどは、家族の目に触れる場所に置いておき、気づいたときに誰もがすぐ掃除できるようにしましょう」(本間さん)
壁や机に吊るすなどして床にものを置かない
「脱いだ衣類やかばんを一旦床に置くことが散らかりの原因に。壁や机に吊るすなどして、床にものを置かない習慣をつけると掃除しやすくなります」(本間さん)
【2人の家事の達人】
知的家事プロデューサー 本間朝子さん/時間と無駄な労力を省くメソッド「知的家事」を考案。多くの主婦の悩みを解決し、家事家電や住設備のAI化にもいちはやく対応。『ゼロ家事』(大和書房)など著書多数。
シンプルライフ研究家 マキさん/ブログ「エコナセイカツ」で、時短家事のアイディアを発信中。主な著書に『しない家事』(すばる舎)、『なくす家事』(KADOKAWA)など。
取材・文/村重真紀 イラスト/尾代ゆうこ
※女性セブン2021年7月1・8日号