阪神がセ・リーグ首位をひた走り、早くも16年ぶりの優勝への期待が高まっているが、虎党たちが思い出したくないのが「2008年の悪夢」だろう。最大13ゲーム差をひっくり返されて2位に終わり、歴史に残る屈辱のシーズンとなった。
2008年は、FAで広島から移籍した新井貴浩らの活躍で開幕ダッシュに成功するも、北京五輪で主力が離脱したあたりから失速が始まり、9月に破竹の12連勝を記録した巨人に大逆転の“メークレジェンド”を許した。V逸により、就任5年目だった岡田彰布・監督は退任に追い込まれた。
「6月時点で貯金20」「主力が五輪代表に選ばれている」といった点が今年と符合するが、6月28日発売の『週刊ポスト』では、岡田氏にインタビューし、2008年の敗因を振り返るとともに、今季の阪神をどう見ているかをレポートしている。「13ゲーム差をひっくり返されたオレに聞くなよ」と苦笑いしながらも、岡田氏は当時の秘話と今季の阪神の優勝に向けた展望を語った。
本誌では割愛したが、そのインタビューでは、これもファンには思い出したくない恥ずかしい記憶である「Vやねん!」についても尋ねている。
虎党にとって、忌まわしい2008年シーズンの“象徴”として今も語り草になっているのが、同年9月3日に日刊スポーツ出版社から発売された『08激闘セ・リーグ優勝目前号 Vやねん!タイガース』である。前半戦の勢いからしてリーグ制覇が確実視されていたことから発売された“優勝目前号”だが、出版社の完全な勇み足となった。
発売後、前述した巨人の12連勝などがあり、9月21日にはゲーム差なしとなる。そして、10月8日の直接対決で阪神が敗れると、ついに首位に立った巨人にマジック2が点灯。2日後に巨人の優勝が決まった。