昨年5月、検察庁法改正案の審議が進んでいるさなかに、朝日新聞・産経新聞の社員らとの賭け麻雀が発覚して辞職した黒川弘務・元東京高検検事長。今年3月、黒川氏には東京簡裁から罰金20万円の略式命令が下されたが、同卓していた新聞社社員らは不起訴処分になった。そのうち、朝日新聞社員のA氏が会社を去っていたことがわかった。
朝日新聞社社員が語る。
「5月末に退職したと、社内報に掲載されていました。会社が今年になって募集していた45歳以上対象の早期退職制度に応募して、退職に至ったそうです」
朝日新聞社は問題発覚直後、A氏に停職1か月の処分を下していた。そのことが社でのキャリアに大きな影響を与えたのは想像に難くない。
「Aさんは長年、“社会部記者の花形”である司法担当を務め、部下からの信頼も厚かった。黒川氏とはその頃からの付き合いです。その後は経営企画室の幹部職に転じ、社内では“役員ルートに入った”ともっぱらでした。ところが、問題が発覚して停職から復帰後は、別の部署に異動になった。本人としては不本意だったのではないでしょうか」(前出・社員)
A氏の退職について朝日新聞社に問い合わせると、「当該の社員はすでに退職しております。その他については個人のプライバシーであり、お答えしかねます」(広報部)と回答があった。