「LINE」は、多種多様なスタンプとともに会話感覚で“メールトーク”が楽しめ、いまや国内で約8800万人が利用している人気のコミュニケーションアプリだ。コロナ禍で人に会えない昨今、利用頻度が増えている読者も多いのではないだろうか。しかし、その気軽さゆえに、言葉選びを間違えると、人間関係にひびが入ることもある。
「LINEは2011年にサービスをスタートしたメッセージツールです。画期的だったのは、相手が読むと“既読”マークがついて通知される点。これにより相手が“見た”と確認できるため、ビジネスでも使われるようになりました」
そう教えてくれたのは、ビジネスマナー講師の鈴木真理子さん(「」内、以下同)。コロナ禍以降、人と会えない代わりにLINEでのコミュニケーションが増え、その分、トラブル相談も急増したという。
「LINEは、スマホを使ってどこからでも気軽に連絡ができるうえ、リアルな会話を彷彿とさせるチャット方式で表示されるため、相手との距離感が近くなりやすいんです。つまり本音が漏れやすく、誤解を生みやすい。それがトラブルの原因になっています」
LINEはあくまで“文書”である。会話で交わされる言葉なら、相手の表情やその場の雰囲気なども考慮して笑いで済ませられることも、字面だけで意味を判断するとなると、想定外の印象を与えてしまうことがある。たとえば、「がんばって」という励ましの言葉も、対面で心配そうな顔をしながら伝えるのと、ただ一言、文字で送るのでは、印象が変わり、同じ励ましの言葉なのにもかかわらず、怒りを買うことがある。
スタンプだけは失礼にあたる!
LINEならではといえる絵文字表現“スタンプ”も誤用すると地雷になるという。
「本来は、会話にユーモアを加えるための表現方法ですが、スタンプだけで返答しては、雑に扱われたと思われますし、また、場違いな絵柄のスタンプを送れば、失礼と受け取られることも。基本的には、立場が上の人には使わない方がいいでしょう」