コロナ禍で“家飲み”や“リモートワーク”が浸透したことで、害虫被害が増えているという。害虫駆除会社フリーマンの福永隆さんによれば、害虫被害が前年の1.5倍以上。福永さんは、
「大きなクロゴキブリは、本来、冬の間は冬眠するもの。しかし、この冬は人間がずっと家にいて、暖房が効いていたので、冬眠せずに繁殖していたのでしょう。そんな中、頻繁に家飲みをすれば、生ゴミや食べかすがたまり、ゴキブリの天国になるのです」
と、話す。
害虫が出現すれば、当然駆除しなくてはいけないが、獣医師の阿部美奈子さんは、殺虫スプレーや毒餌、それによって死んだ虫をペットが誤飲する危険性について話す。
「猫は害虫をおもちゃにして誤って食べてしまうほか、くん煙剤を焚く際に隠れていて姿が見えないこともあるので、駆除も慎重に行ってほしい。家飲みで出た食べ残しやゴミなどを漁って、アボカドの種など大きなものを飲み込んだり、鶏の骨がのどに刺さったり、特に犬猫にとっては猛毒のねぎやチョコレートを食べてしまう危険もあります」
普段はお行儀のいいペットでも、このコロナ禍においては、こうしたリスクは格段に上がっている。京都府に住む主婦の戸倉妙子さん(47才・仮名)が言う。
「昨年から夫が在宅勤務になりました。それまでは仕事終わりに飲み歩いていたのが、いまでは毎晩のように、かわいがっているトイプードルをひざに乗せて晩酌しています。しかし先日、明け方に台所から音がするので、行ってみたら、犬がゴミ箱を倒していました。いままではいたずらなんてしなかったのに……」
ゴミ袋の中には、夫が食べていたねぎまの串が。もし口にしていたら……。
「家飲みの機会が増えると生活サイクルが変わり、ペットは落ち着いて過ごせなくなります。日中も飼い主が家にいて、抱っこされたくないときもひざに乗せられたり、時には家に知らない人が来て、夜中までお酒を飲んでいたりする。
種族や個体によりますが、縄張り意識の強い子にとってはかなりのストレス。眠れなくなったり、食が細くなったりして、人間が寝静まった頃にお腹を空かせて生ゴミを漁ってしまうケースが増えています」(阿部さん・以下同)
今年、ペットの病気は昨年以上に増えているという。