幅広い世代が使用するようになったLINE。現在、国内では8800万人が使用しているという。便利な一方で、迷惑エピソードも聞かれるように。こんな実例もある。
「コロナ禍で会えなくなってから、母が毎日LINEを送ってくるように。それも、返信のしようがないメッセージか、説教ばかり。既読スルーしていると、何度もメッセージが届いて、一日中、通知音が鳴りっぱなし。離れて暮らしているのに、常に母に見張られているようでウンザリです」(45才・パート)
家族間の場合、言葉遣いや内容に遠慮がなくなりやすい。さらに相手が親の場合、子供はいつまでたっても子供という意識があるせいか、確認するような内容や説教が多くなりがちだ。ビジネスマナー講師の鈴木真理子さんは、こうアドバイスする。
「既読マークをつけると、相手に返信を期待させてしまうので、いっそのこと、LINEを見ないのも手です。内容がないならなおのこと。急用であれば電話がかかってくるはずです。あるいは、『非通知』(着信を知らせない機能)設定をしてみてはいかがでしょう。通知音が鳴らないので、LINEがきたことに気づかずに済みます」
空気を読んで相手に配慮を
「10年ぶりに彼氏ができました。最初はLINEがくるのがうれしかったのですが、最近はうんざり。なぜなら、彼のLINEが終わらないから。普通なら、『おやすみ』などと送ると会話が終わるのに、彼はその先もメッセージを送り続けてくる。ずっとつながっていたい、寂しいという思いがあるのかもしれませんが、次の日は仕事があります。
LINEを終わらせたいという意思をそれとなく伝えるために、眠そうなスタンプを送ったり、返信を遅くしたりしても効果なし。“空気の読めない人”ということがわかって、恋の熱も冷めてきました」(36才・会社員)
いわゆる「既読スルー・未読スルー」がマナー違反だと思っている人は多いが、そもそもLINEは互いの状態がわからず一方的に送り合うもの。返信したくないときはしなくてもいいのだ。
「こういった場合、『私は0時には寝るので、LINEはそれまでにしよう』などルールを決めるのもおすすめです」(鈴木さん)
取材・文/前川亜紀
※女性セブン2021年7月15日号