才能あふれる人物の父親が、本人を凌ぐほどの功績を持っていた──。芸能界では、そういったケースが多い。偉大な父の背中を見て育った著名人を紹介しよう。
「高祖父は阪急阪神東宝グループ創業者で、宝塚歌劇団の創設者でもある小林一三氏。姻戚にはサントリー元会長の鳥井信一郎氏などもいる。父・松岡功氏は現在、大手映画配給会社・東宝の名誉会長で、母は元タカラジェンヌの千波静さんです」(経済ジャーナリスト)
もうおわかりかもしれないが、元プロテニスプレーヤーで“超ポジティブ人間”が印象的な松岡修造(53才)だ。
「プロ選手になりたいと伝えたとき、お父さんからは家業を継ぐ話はまったく出なかったとか。兄の松岡宏泰氏は海外映画を輸入する東宝東和会長で、姉の夫は辻調理師専門学校校長の辻芳樹氏。ビジネスはきょうだいに任せて彼は自分のやりたいことを優先したのです」(松岡修造の知人)
偉大な父を持つのは松岡だけではない。黒柳徹子は、天才と称されたヴァイオリニスト黒柳守綱氏を父に持つ。新交響楽団(NHK交響楽団の前身)や東京交響楽団でコンサートマスターを務めた。戦後はシベリアにて捕虜にされるも、無事帰国し、再び音楽の世界へ戻った。
千秋の父は日本板硝子株式会社元代表取締役の藤本勝司氏。国内では業界2位で、英の同業他社を買収して世界でもトップクラスになっている。ビルや住宅の建築ガラス、トヨタやフォルクスワーゲンの車用ガラスを販売・製造を行っている。
フジテレビの三田友梨佳アナの父は、料亭『玄冶店 濱田家』社長・三田芳裕氏だ。老舗の名店で、ミシュランで三つ星を獲得したことがある。加えて、劇場『明治座』でも社長を務めており、芳裕氏が2代目として経営をしている。
その他にも、こんな偉大な父を持つ著名人がいる。
■アンジェラ・アキ
英会話の『イーオン』を創業した安藝清氏を父に持つ。全国に教室は250校あり、約2400人の従業員を抱えている。年商は約260億円ともいわれている“英語ビジネスの雄”だ。
■大黒摩季
パンの老舗名店『木村屋』ののれん分けで『札幌キムラヤ』を開いた大黒正芳氏が父だ。1920年代に開業し、札幌におけるパン文化を広める一助となった。
■矢部太郎
絵本作家で1977年より子供のための造形教室『はらっぱ』を主宰するやべみつのり氏が父。紙芝居作家でもあり、1996年に最も優秀な紙芝居に贈られる第34回五山賞奨励賞受賞。
■SAM
前身の病院を含め120年の歴史がある丸山記念総合病院創設者の1人である丸山正義氏を父に持つ。地域医療を活性化して多くの人を救えるよう、多額の借金をして埼玉でも有数の病院を設立した。
■一青窈
父は、台湾で知らない人はいない5大財閥「顔一族」の長男で実業家として活動した顔恵民氏。台湾が日本に統治されていた頃、金鉱経営で財をなした名家で、台湾経済を回す一助になった。
※女性セブン2021年7月15日号