もしかしたら57年ぶりに関西の球団同士の日本シリーズが見られるかもしれない──阪神とオリックスの快進撃に関西の野球ファンは胸を熱くさせている。さて、「夢の対決」が実現したらどちらが強いのか。
阪急・オリックスでエースとして活躍し、オリックスと阪神でコーチ経験がある佐藤義則氏は両チームの若手に注目する。
「オリックスの先発は今年大ブレークした2年目の宮城大弥(19)、エースの山本由伸(22)を中心に4枚揃い、ヒギンズ(30)や平野佳寿(37)のリリーフ陣で勝ちパターンが確立した。打線も吉田正尚(27)、杉本裕太郎(30)を軸に噛み合っている。
対する阪神は、打線に佐藤輝明(22)が入って長打も期待できるようになったが、投手陣にパワーピッチャーがいないため、コントロールミスが出ると打たれる可能性が高い。総合力では、オリックスに分があるのではないか」(佐藤氏)
阪神には、こんな不安要素も指摘される。
「阪神の主力選手である糸井嘉男(39)や西勇輝(30)は元オリックスの中心選手です。特に2018年オフまでオリックスに在籍した西はピッチングの特徴を知り尽くされており、交流戦でもT-岡田(33)らに連打を許した。弱点を突かれて打ち込まれる怖れがある。
佐藤の打撃も期待されるが、ほぼベルト付近の球しかヒットにできていないから、コントロールの良い宮城などは天敵になるはずです」(在阪スポーツ紙デスク)
他方、阪神OBの安藤統男氏は古巣に熱いエールを送る。
「オリックスは若手選手が多く、ひとつ乗れば突っ走るが、経験不足なので躓くとボロボロになる。対するタイガースは投打のバランスが取れていて、いつでも安定した力が出せます。しかし、まずはリーグ制覇を目指して関西対決を実現してほしいですね」
世紀の対決は、大フィーバーとなりそうだ。
※週刊ポスト2021年7月16・23日号