中高年に多く処方されている高コレステロール薬。悪玉コレステロール(LDL-C)が高いと高脂血症につながり、狭心症や心筋梗塞などのリスクが高まるとして、「スタチン」などの高コレステロール薬が広く処方されている。だが、「コレステロールについて正しく理解すれば、薬は飲む必要がなくなる」と説くのが、多くの患者を断薬に導いてきた北品川藤クリニックの石原藤樹院長だ。
「慢性的に服用している人が多いですが、スタチンは5年服用したら中止すべきか医師と相談すべき薬だと考えています。
スタチンは5年服用すれば、心血管疾患による死亡リスクが有意に下がり、その後、20年間は効果が継続します。降圧剤や抗凝固剤のように服用をやめたことで症状が悪化する恐れは少ないのです」
年齢でも見直しを検討する必要があるという。
「65歳で中強度のスタチンに切り替えてもらいLDL-Cの値が100未満を継続するようであれば見直しを相談しましょう。
75歳以上なら減薬、80歳以上は中止と考えてよい。薬をやめることに不安を覚える方もいますが、『心筋梗塞の予防効果はすぐになくなりませんよ』という点を理解してもらい、投薬を続けるかやめるかを話し合います。
ただし、すでに心筋梗塞を発症したことのある人は、罹患から10年は服用する必要があると考えます。その間に再発がなければ、同じように薬をやめていくプロセスを踏んでいきます」
※週刊ポスト2021年7月16・23日号