スポーツ

日本のお家芸バドミントン ラケットの性能を極限まで引き出す職人の技

中原健一さんは日本代表の公式ストリンガーも務める職人

中原健一さんは日本代表の公式ストリンガーも務める

 世界ランク1位の桃田賢斗選手らを擁する日本の新たなお家芸・バドミントン。ヨネックスが東京五輪に派遣するストリンギングチーム所属の中原健一さんは、日本代表の公式ストリンガーも務める凄腕の職人だ。

 ストリンガーとは、選手が使用するラケットにストリング(糸)を張る専門家を指す。寸分の狂いなく選手の望む硬さに仕上げるのはもちろんのこと、「会場の気圧、気温、湿度、風などの条件を踏まえて、最高のパフォーマンスを発揮できるようにテンション(張り)の強さを調整する」(中原さん)ための繊細な技術と経験が求められる。

 バドミントンを始めた中学生時代に「張る楽しみ」に目覚めた中原さん。その後、「選手として最初に利用したお店」だというラケットショップフジに就職した。テンションを強くかけすぎるとラケットが折れてしまうこともある。中原さんは慎重に、かつ素早くストリングを張っていく。1本あたりの所要時間は15~20分。

 中原さんにとって気がかりなのはウイルスの存在だ。

「ストリンガーは選手のラケットを一番触るポジションなので、感染予防対策は人一倍しっかりやらなければいけない。チームのメンバーと共に最大限まで意識を高めて大会に臨みます」

 金メダルが期待される桃田賢斗選手も、中原さんに全幅の信頼を寄せる。日本代表にとってもストリンガーの存在は欠かせない。

撮影/内海裕之

※週刊ポスト2021年7月16・23日号

金メダルが期待される桃田賢斗選手も、中原さんに全幅の信頼を寄せる。日本代表にとってもストリンガーの存在は欠かせない(写真/共同通信社)

金メダルが期待される桃田賢斗選手も、中原さんに全幅の信頼を寄せる。日本代表にとってもストリンガーの存在は欠かせない(写真/共同通信社)

関連記事

トピックス

大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
石川県の被災地で「沈金」をご体験された佳子さま(2025年4月、石川県・輪島市。撮影/JMPA)
《インナーの胸元にはフリルで”甘さ”も》佳子さま、色味を抑えたシックなパンツスーツで石川県の被災地で「沈金」をご体験 
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト