【NEWSポストセブンプレミアム記事】
疲れて何も食べたくない。あっ、でも、ヨーグルトかアイスクリームだったら食べられるかも。っていうか、食べたいかも……梅雨が明けたら、きっとそんな日が増えるだろう。どうせ冷蔵庫から出すだけなら、ダマされたと思って、ほんのひとさじの手間を加えてみてはいかがだろうか──。
ただでさえ自粛生活でイライラしがちな昨今。低気圧で自律神経が乱れてよく眠れず、体重も増え、湿気と暑さで食欲も失せ……そんな今年の夏の不調を一挙に解消してくれるものがある。
管理栄養士で日本ソイフードマイスター協会講師の水谷俊江さんが言う。
「夏バテ予防や疲労感の軽減には、たんぱく質などの栄養を積極的に摂ることをおすすめします。食欲がわかないとき、効率的に栄養を摂取できるのが豆乳。消化吸収がいいだけでなく、豆乳の植物性たんぱく質は、肉や卵などの動物性のたんぱく質よりも脂肪燃焼効果が高いので、ダイエットにも役立ちます」
水谷さんによれば、豆乳の栄養素は、生の大豆に劣らないという。
豆乳には、ストレスを感じると消費されるレシチンも含まれている。積極的に摂ることで、ストレスによるイライラや不眠、記憶力の低下などの予防にもなる。
「レシチンは、コレステロールの分解・排出をサポートします。これによって、脂質異常症や心臓病を防ぐことにもつながるのです。また、レシチンと同様、血液中のコレステロールや中性脂肪の排出を助けるサポニンも含まれています」(水谷さん)
そのほか、イソフラボンが骨粗しょう症の予防や、血液をサラサラにし、動脈硬化を防ぐ効果も期待できる。
さらに、善玉菌のえさになって腸内環境を改善するオリゴ糖のほか、夏バテの予防に欠かせないミネラルとビタミンも含まれており、紫外線によるストレスや老化も軽減してくれる。
酢は人類最古の調味料
“夏に飲むべき栄養ドリンク”はもう1つある。「お酢博士」として知られる、東京農業大学名誉教授の小泉幸道さんは、酢は、文明が始まった頃から親しまれていると語る。
酢のにおいと刺激的な酸味が脳に働きかけることで、唾液や胃液の分泌を促し、疲労感や食欲不振を解消してくれるのだ。
「胃腸の働きを高めるだけでなく、疲労回復を助けます。また、糖の吸収をおだやかにして、血糖値の急上昇を防ぐ働きもある。さらに、酢酸が代謝される際に分泌されるAMPという物質が血管を拡張し、血圧を下げるほか、AMPKという酵素が脂肪の燃焼を促します」(小泉さん・以下同)
AMPKは、運動時に活性化する酵素。酢を飲むことで、運動をするのと近い効果が得られ、内臓脂肪を減らす効果が期待できる。
腸のぜん動運動を促して便秘を改善する作用もある。
夏の体の不調には、豆乳と酢が、最強の組み合わせだったのだ。
朝食にはスープ仕立て、おやつにはスムージー風
そんな豆乳と酢を一緒に摂取すると、それぞれの健康効果がWで得られ、思いがけない相乗効果も期待できる。
「酢の血行促進作用で胃腸の働きがよくなり、そこへ豆乳に含まれるオリゴ糖が加わることで、腸内環境改善効果がさらに上がります」