1年延期となった東京五輪がいよいよ開幕。メダルが期待される選手たちは、どんな思いを胸に本番に挑むのか?
今大会では、久々の出場となる競技もある。男子バスケットボールの五輪出場は実に45年ぶり。チームを引っ張る比江島慎(30才)はこう語る。
「1年の延期……当初は、最高のパフォーマンスをするための準備期間と前向きに考えていましたが、昨年12月にキャリア最大の怪我を負い、悔しさが残るシーズンになってしまいました。
でも、いまは怪我も完治し、最高のコンディションで本番を迎えられます。自覚と責任を持って、全身全霊でプレーします。バスケを愛するすべての人に感謝の気持ちを込めて──チーム一丸となって頑張ります」
カヌースラローム男子カナディアンシングルの羽根田卓也(33才)は、「リオ以上の結果を」と語る。
「1年の延長が決まっても、東京2020への気持ちの炎は、小さくなることはありませんでした。制限がある中での日々でしたが、常に、いまできることを考え、毎日を必死に過ごしてきました。
リオ五輪で銅メダルを獲得できたことで、周囲の期待とプレッシャーは格段に違います。でも、それもスポーツの醍醐味のひとつ……自分がそういう選手になれたことを誇りに思うし、リオ以上の結果を思い求め、自分のすべてをかけてレースに臨みます」
本番はもうすぐ。彼らの活躍に期待したい。
【プロフィール】
比江島慎(ひえじま・まこと)/1990年8月11日生まれ、福岡県出身。宇都宮ブレックス所属。小学生時代から全国で活躍し、2013年からは日本代表としてチームを牽引。現メンバーでは、最長の代表歴を誇る。独特の緩急をつけた変幻自在の“比江島ステップ”で、世界の強豪に挑む。191cm、88kg。
羽根田卓也(はねだ・たくや)/1987年7月17日生まれ、愛知県出身。ミキハウス所属。9才から本格的にカヌースラローム競技を始め、高校卒業と同時にスロバキアへ。北京五輪14位、ロンドン五輪7位入賞を経て、リオデジャネイロ五輪では、日本人初となる銅メダルを獲得した。175cm、70kg。
※女性セブン2021年7月29日・8月5日号