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健康ブームが過熱するほど注目度が増しているのが「発酵食品」だ。テレビや雑誌の健康特集では必ずといっていいほど紹介されているが、どうやらそのどれを食べても期待通りの効果があるわけではなく、実はリスクも隠れていたという──。
健康食の代名詞的存在である「発酵食品」は、栄養素が微生物などによって分解される働きを利用した食品だ。一般社団法人「Love Food Education」代表理事で発酵食品のスペシャリストである北村愛さんによると、健康効果は4つに分類できる。
1つ目は消化吸収をよくすること。発酵菌は人間と同じ消化酵素を多く含んでおり、発酵する過程で食品に含まれるたんぱく質や糖質などを、それぞれアミノ酸やオリゴ糖などに分解する。そのため、人間が食品を食べたとき、体に負担が少ない形の栄養素として、吸収されやすい状態になっている。
次は栄養素の増加だ。たとえば糠漬けは、生の状態と比べビタミンB1の量が10倍に増えるなど、食品が持つ本来の栄養素を強化し、スーパーフードに変えてくれる。
3つ目はアンチエイジングに重要な「抗酸化物質」を生み出すこと。たとえば大豆は発酵が進んでいく過程で、強力な抗酸化作用のある「メラノイジン」という成分が新たに生まれることがわかっている。
最後は免疫力の向上。発酵させたことによって生まれる物質の中には「短鎖脂肪酸」もあり、これは腸粘膜の細胞を整え、毒素やウイルスなどを血液に入れないようにガードする働きを持つ。
「人類は紀元前6000年頃から発酵食品を食べてきたといわれます。子孫を残すために必要のない食べ物は淘汰されていくものですから、発酵食品が現代に残っているということは、いかに健康に生きるために必要な食品であるかがうかがえます」(北村さん)
新型コロナで健康意識がさらに高まった昨今、発酵食品が注目されるのは当然だ。だが、「発酵食品」とは名ばかりで、本来の姿とはかけ離れた「ニセモノ」が蔓延していることをご存じだろうか。
しょうゆ、みそ、納豆を食べてがんになるリスク
日本人にとって、欠かせない食材である大豆は、しょうゆ、みそ、納豆など、あらゆる発酵食品の原材料として使われている。日本人が世界でも長寿を誇るのは、大豆由来の発酵食品をたくさん食べる和食文化のおかげだという見方もあるほどだ。しかし、東京大学大学院農学生命科学研究科教授の鈴木宣弘さんは、大豆の危険性に警鐘を鳴らす。
「国産大豆の自給率は、たった7%しかありません。国内で消費されている大豆のほとんどは、アメリカなどから輸入した遺伝子組み換え大豆なのです」
フランス・カーン大学の研究チームが行った実験によると、遺伝子組み換えのコーンを食べ続けたマウスは、普通のコーンを食べていたマウスと比べ約2倍もがんの発生率が上がった。その上、早死にしやすいこともわかった。