放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は今、再び注目を集める向井理(39才)について。
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“昭和”や“平成”の話題をテレビで展開する際、「まだ生まれてない頃の話」「子供の頃のことなので記憶が曖昧」とシラける世代=テレビ離れしている世代に、こちらを向いてもらうのは最重要課題。その層へアプローチとして、“1周回った”人物やネタを積極的に掘り起こしてみる価値は大きいと思う。
“着飾る恋”で新しい女性ファンを獲得
4月期の火曜ドラマ『着飾る恋には理由があって』(TBS系)に出演していた向井理について、オンエア後半から終了後、「新しい女性ファンがついたのではないか」と思わせるSNSでのコメントを大量に目にした。
向井が演じた「葉山」は、ヒロインの川口春奈が演じた「くるみ」が7年間も密かに想いを寄せる相手。そんな葉山がシェアハウスの住人となり、最終話では「片想いじゃなかったよ、気づくのが少し遅かっただけ」と、くるみに伝え、突然トルコへと旅立つ。
くるみの相手は横浜流星が演じる「藤野」であり、向井は、いわゆる“当て馬”なのだが、過去にもこうした“当て馬”がカッコよすぎて人気者になった例を挙げながら、「向井理、カッコイイ」「素敵」「私だったら葉山さんを選ぶかも」などというコメントがSNSに溢れかえった。
明治大学出身の“理系男子”
そしてドラマ終了後、目にしたのは、向井理の高学歴に驚く新規のファンの声だった。向井といえば、明治大学農学部生命科学科で遺伝子工学を専攻した“理系男子”。学生時代、向井が参加していた研究チームが「国際動物遺伝学会議」において「ベストポスターアワード」を受賞したことも古参のファンはスラスラと説明できるハズだ。
が、『着飾る~』で新たに向井ファンとなった10代~20代前半の女性たちにとって、これらは、「知らなかった」「驚いた」新鮮なエピソード。
そうなると、向井が、あの速水もこみちよりも前から「料理男子」だったことも知られていないのかもしれない。
もともと向井は大学院進学か就職かと迷っていたとき、知人に誘われて老舗バーのバーテンダーになったという一風変わった経歴の持ち主。やがてカウンター内で“つまみ”も作るようになったといい、後に出演したトーク番組では、自宅のキッチンに「オリーブオイルだけでも数種類ある」と言っていたほどだ。『バンビ~ノ!』(日本テレビ系)でイタリアン、『おせん』(同)で和食、『ハングリー』(フジテレビ系)でフレンチの料理人役がまわってきたのも、そんな経歴と趣味が影響していたのは間違いなさそうだ。
オンエア中の「マルホン胡麻油」(竹本油脂株式会社)のCMがしっくりくるのも元祖「料理男子」たる所以だろう。
他にも、「学生時代はサッカーばかりしていた」という運動神経の良さや、お酒が大好きで、同年代のみならず年上の俳優に飲み仲間から「理」と下の名前で呼ばれ、愛されていることなども新規ファンには、ときめきのエピソードだと思う。