近藤誠医師

近藤誠医師

 国内で最初に接種後の死亡が報告された6例のうち、4例の死因が「出血性の脳卒中」だったことに近藤さんは着目する。

「ファイザー製とモデルナ製は『mRNAワクチン』と呼ばれるタイプで、遺伝子の設計図を脂質カプセルに包んで体内に入れます。その際、血管壁に入り込んだワクチン粒子を免疫機能が攻撃すると、血管の内面に傷がつきます。それが極端になると動脈が破裂して、出血性脳卒中が引き起こされると考えられます。また血管壁が傷つけられた箇所の周囲に血栓ができると、心筋梗塞や脳梗塞などの血管が詰まる疾患を招く恐れがある」

 これから先、ワクチン接種が増えるとともに、「隠れ副作用死者」がさらに増加すると近藤さんは予測する。

「ワクチンの普及とともに副作用に対する一般の興味が薄れていき、副作用報告がさらに減る可能性があります。現状で報告されている死者数の数倍は報告されない死者がまだまだいてもおかしくなく、その数がこれからさらに増える恐れがあります」

 私たちはこのワクチンとどう向き合うべきか──近藤さんが提唱する。

「基本的にコロナにかかって命を落としやすい高齢者はワクチンを打つメリットが一定程度あると考えられます。しかし20~30代の若い人は別。その世代はコロナにかかっても重症化しにくい一方、ワクチンを打つと一定数が亡くなるはずです。ましてや10代やそれ未満の子供たちはコロナの死亡者がゼロですから、リスクを負ってワクチンを打つ必要はない。接種で亡くなる若い世代を減らすことが肝要です」

【プロフィール】
近藤誠(こんどう・まこと)/1948年東京都生まれ。1973年に慶應義塾大学医学部卒業後、同大学医学部放射線科に入局。「乳房温存療法」のパイオニアとして知られ、安易な手術、抗がん剤治療を批判。2014年に退職し、「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」にてがん治療に携わる。

※女性セブン2021年7月29日・8月5日号

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