ライフ

近藤誠医師が警鐘「コロナワクチン“隠れ副作用死者”はまだいる」

(時事通信フォト)

接種後に死者も出ているワクチンとどう向き合うべきか(時事通信フォト)

「本当にその医療は必要なのか」。医師の近藤誠さんは長年、そんな問いに向き合ってきた。では、新型コロナウイルスのワクチンはどうか。最も懸念されるのは、「副作用による被害」が、厚労省や医師たちの“理屈”によって、過小に評価されているのではないか、ということだ。近藤さんがワクチンについて警鐘を鳴らす。

 新型コロナワクチンの接種後に死亡した人は7月2日時点で556人に達し、たった2週間で200人も急増したことになる。だが、この数が死亡者の全体像を表しているとは言い難い。

「実際には、もっと多くの『隠れ副作用死者』がいる可能性が充分にあります」

 そう指摘するのは『新型コロナワクチン 副作用が出る人、出ない人』(小学館)をこの7月中旬に緊急出版した、医師の近藤誠さんだ。

「この556人は、あくまでワクチン接種後に死亡したとして、“医療機関から国に報告が上がった人数”です。しかし国の報告システムには大きな問題があり、実際には、ワクチン接種後に死亡したのに、報告されていないケースが相当数あるはずです」(近藤さん・以下同)

 そもそも、厚労省のルールのもとで「副反応」という呼び方をされていることにも違和感があると近藤さんは言う。

「欧米では、薬の場合もワクチンの場合も、起きてほしくない症状が生じると同じく『有害事象』と呼びます。しかし、日本は薬の有害事象を『副作用』、ワクチン接種後だと『副反応』と呼び分けています。『副反応』には“一時的な現象であり、あまり危険ではない”という印象があり、人に与える印象をまったく別のものにします。ワクチン接種後の有害事象は薬と同じく『副作用』と呼ぶべきです」

 現在のルールでは、ワクチン接種後に「副作用」が疑われる場合、診断した医師や病院は予防接種法に基づいて国に報告する必要がある。その報告に基づいて厚労省の審議会が安全性を検討し、死亡者の年齢や性別、接種日などを記した報告書が公表される。

「しかし厚労省の審議会は、“伝統的”にワクチンと死亡の因果関係を認めたがらない。2009年に流行した新型インフルエンザのワクチンでは、接種5分後に心肺停止で亡くなってもワクチンで死亡したと認定しませんでした。同様に新型コロナワクチンでも審議会の検討結果をそのまま信じることは難しい」

 ワクチン接種後に死亡しても、報告されないケースがあるという。近藤さんは、「実際に報告するかどうかは『医師任せ』なのです」と指摘する。

「どのケースで副作用を疑うかは医師の判断に任され、接種後に人が亡くなっても、それだけで報告の義務はありません。すべては現場の医師の気持ち次第で、事後に“報告すべきだった”と判明しても罰則はありません」

 いわば、報告するかどうかは医師の「良心」に基づいている。しかし、近藤さんは「医師の良心こそ、危うい」と言う。

関連キーワード

関連記事

トピックス

テレビ東京を退社した福田典子アナ
【独占インタビュー】元テレビ東京・福田典子アナ「退社と離婚」を初告白「広報をしていた会社を辞め、今は夫と別々の道を歩んでいます」
NEWSポストセブン
殺人などの罪に問われた内田梨瑚被告、小西優花被告(SNSより)
《小西優花被告に懲役25年求刑》「どうせ捕まるなら死なせたほうがいい」「こいつイカれてますね」内田梨瑚被告が主張した“舎弟の残虐性”と“供述のズレ”
NEWSポストセブン
デビュー10年を迎えた今田美桜
【次期朝ドラヒロイン】俳優・今田美桜が語る「悩むことも必要なこと」 劇場版『トリリオンゲーム』では15cmのヒールで「“キリカ筋”が引き締まった」秘話も
週刊ポスト
女優・杉咲花(27)を起用したサントリージン「翠(SUI)」の広告の“改行位置”が話題となっている
「改行するところおかしくない?」サントリージン「翠(SUI)」新広告のデザインに疑問の声が殺到、同社広報部が真意を明かす
NEWSポストセブン
ウクライナへの軍事支援を一時停止したアメリカのトランプ大統領(時事通信フォト)
《トランプ氏“公開大げんか”で動き出した》「安全保障が担保されれば辞任してもいい」ゼレンスキー氏“捨て身の一撃”でウクライナ戦争「4月終結」のシナリオ
女性セブン
小さなライブ会場を中心に活動する「ジャンクロップ」(Instagramより)
オリコンランキング2位に“謎のメン地下アイドル”が浮上 仕掛け人は「僕がジャニーズでCDデビューできなかったから執着もあるかも」《落ちこぼれアイドル逆転劇》
NEWSポストセブン
意外なヘアスタイルにイメチェンしたISSA
《46歳「DA PUMP」ISSAの髪に異変》ドレッド、ソフトモヒカン、七三分け、新曲とともに変化するヘアスタイルの現在「過去には坊主頭で謝罪」も
NEWSポストセブン
”点検商法”で逮捕された斎藤大器容疑者(33)。”トクリュウ”のリーダーである可能性もあるという(本人SNSより)
《トクリュウ逮捕》「財布の分厚い現ナマを見せつけ」「“やれそうな子”以外にはケチ」6億円豪邸にロールスロイス…「富豪アピールSNS」の斎藤大器容疑者(33)が夜の街で見せていた“素顔”
NEWSポストセブン
殺人などの罪に問われた内田梨瑚被告、小西優花被告(SNSより)
《旭川女子高生殺人・公判》「マリファナ運んでる」「リコの体に合うの」共犯者に“黙秘指示” もした内田梨瑚被告(22)の“イキリ系素顔”と“薬物アピール”
NEWSポストセブン
第5子妊娠を発表した辻希美
《逆転した夫婦関係》辻希美が第5子妊娠発表前の一家総出ファミレス、全身黒ゆるジャージで寄り添う夫とのペアルック 明かしていた「もう一度子どもを育てたい」の想い
NEWSポストセブン
結婚発表の前日、夫婦水入らずで”映画デート”を楽しんでいた筧美和子(30)
【筧美和子が結婚】「肩を抱かれ、頬にキスを…」真っ赤なニットで大胆に、イケメン経営者との結婚発表前日“映画デート”一部始終
NEWSポストセブン
倉庫内に保管されている政府の備蓄米(時事通信フォト)
今も続く「令和の米騒動」 一攫千金を狙って買い込んだ”転売ヤー”たちの嘆き「SNSやフリマアプリでもほとんど売れない」
NEWSポストセブン