離婚を発表した、とんねるずの石橋貴明(59才)と鈴木保奈美(54才)。「子育てが一段落」したことを理由にあげ、今後は所属事務所社長と所属俳優として「新たなパートナーシップ」を築くという。1998年の結婚時から何かと騒がれた石橋と鈴木について、放送作家でコラムニストの山田美保子さんが綴る。
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23年も連れ添い、3人の娘さんを立派に育て上げ、今後も元夫が社長を務める事務所に所属すると聞けば、「離婚」ではなく、流行りの「卒婚」に近いものがあるのかもしれない。
実は私は石橋ファミリーと“御近所”だったこともあり、まだ娘さんが小さい頃、行きつけの焼き鳥店で家族が揃って食事をしている光景を度々目にしていた。
驚くのは、家族が常に入口にもっとも近いテーブル席に着いていたことだ。庶民的な店だったので個室などはなかったが、間仕切りがあるボックス席もあったし、奥の座敷はパーテーションもあったから、店側に頼めば、他の客から見えないようにしてもらえたハズ。だが、石橋ファミリーは、毎回、もっとも人目につく入口脇にいたのである。
あるとき、店長に尋ねてみたら、「貴明さんは、娘さんたちに特別扱いをさせたくないというお考えなんですよ」と。女優として、“我が道を行く”タイプだった鈴木が、夫の意見に従っているというのもまた意外だったが、二人がいい夫婦となり、新しい家族を作り上げたのだと確信ができた。
繰り返しになるが、23年もの歳月は決して短いものではないし、二人の過去の恋愛や結婚、離婚経験などが今回の離婚に直接関連しているとは言えないだろう。
“不義理”で波紋を広げた石橋と鈴木の結婚
だが、50代以上の芸能記者やリポーターらにとっては、思い出してしまうことが。若かりし頃の二人に関して様々取材をしてきているからだ。
石橋と前妻との泥沼離婚。鈴木がモータースポーツジャーナリストの川井一仁氏と電撃婚に至った経緯。
大河ドラマ『元禄繚乱』(NHK)撮影中の電撃デキ再婚。
石橋の前妻と娘がマスコミを避けるために国外へ移住……などなど、各所に不義理をしてきたかのように見えていた石橋と鈴木の結婚については、ストレートに祝福されるものではなかったのである。
忘れられないのは、当時、石橋が前妻や娘についての質問を受けたとき、鈴木が傍らでクスリと笑ったことだ。なぜ彼女が笑ったのか、その真意はわからない。自分には関係のないことだと思ったのか、「それを聞くの?」という意味の失笑だったのか。まさかとは思うが勝ち誇った笑みだったのか。いずれにせよ、現在と比べ、100%「サレ妻」や「前妻」が優勢だった時代。鈴木の笑みはバッシングの対象になったものだ。
また、妊娠によって『元禄繚乱』の後半、彼女が演じた「染子」の描写が激減するに至ったことについては、当時の所属事務所の大先輩が公の場で不快感を露わにしたこともあった。