今シーズンのパ・リーグは、昨年最下位のオリックスが首位を快走。日本シリーズ4連覇中の王者・ソフトバンクはBクラスに沈んでいる(7月14日終了時点、以下同)。今シーズンからヘッドコーチに就任し、選手の起用も含めた攻撃面の采配を一任されている小久保裕紀氏(49)は、借金生活に入った10日、「なりふり構っていられないところまで来ている」と、悲壮感を滲ませた。
「低迷の原因は貧打です。防御率はリーグ1位ですから、小久保ヘッドの采配に問題がある。昨年は工藤公康監督(58)が選手の状態を見ながら100通り以上のオーダーを組んだが、小久保ヘッドは松田宣浩(38)や今宮健太(29)ら不調の選手をスタメンから外さない。
小久保ヘッドは侍ジャパンの監督経験者でもあり、工藤監督もなかなか口出しできない。さすがに交流戦前にしびれを切らして、工藤監督が2番に甲斐拓也(28)を抜擢するなどテコ入れを図りましたが、交流戦の打率は11位の2割3分3厘で終わった。工藤監督と小久保ヘッドの距離は開くばかりで、若い選手も工藤監督を見ればいいのか、小久保ヘッドを見ればいいのか浮き足立っている」(ソフトバンク担当記者)
この状況に気を揉んでいるのが王貞治会長(81)だという。1995年、ダイエーの監督に就任した王会長は2年目の小久保を全試合で起用し、本塁打王を獲得させるなど師弟関係の深さは広く知られている。
「工藤監督は2年契約の最終年で、王会長は小久保ヘッドを次期監督として育てようとして“二頭体制”を敷いた。小久保ヘッドは選手の起用法についても、インタビューでは決まって“王会長から現役時代にこう言われてきた”と口にします。
王会長も開幕前は『彼(小久保ヘッド)が先頭に立ってやってくれたら、みんなも付いてくる』と背中を押してきたが、さすがに風向きが変わってきた。最近、小久保ヘッドに直接、“不調ならスタメンを変えるべき”とアドバイスしたと聞いています。Bクラスで終わることがあれば監督への昇格も厳しくなるだけに頭を悩ませているようです」(球団関係者)
こちらの“二頭流”はなかなか結果が出ない。
※週刊ポスト2021年7月30日・8月6日号