コロナ禍でマスク生活が当たり前となっているが、これをチャンスとマスクで隠れた部分に手を掛け、いまのうちに若返って見せようという美容術が注目を集めている。「人中」(じんちゅう)と呼ばれる、鼻と唇の間にある縦の溝の長さが見た目年齢を左右するというのだが、若く見せるためにはどうすればいいのか。総力取材した。
毎年、ウェブサイトや各女性誌が「女性が選ぶなりたい顔ランキング」を発表しているが、昨今は、そのラインアップに大きな変化が生じているといわれている。
というのも、いわゆるこれまでもてはやされてきた正統派の美人顔より、石原さとみ(34才)や新垣結衣(33才)といった、キュートでかわいらしい印象の女優やタレントが、数多くランクインする傾向にあるのだ。
特に石原さとみは、美容雑誌『美的』(小学館)が選ぶ「なりたい顔」で殿堂入りを果たすほど、女性から厚い支持を得ている。
キュート系の顔が好まれる傾向を、美容ジャーナリストの倉田真由美さんはこう分析する。
「人中が短い顔立ちは、若々しくエイジレスな印象があります。昨今のトレンドが全体的にカジュアルな方向に流れていることもあり、いわゆる面長で涼しげな美人顔より、石原さんのような、コンパクトでかわいい顔に憧れる女性が増えています。
たとえば赤ん坊は人中が短く、唇がぷっくりしていますが、こうした顔立ちは、真顔でいてもハッピーフェイスに見え、多くの人から好感を持たれる傾向にあります」
タレントの指原莉乃(28才)も、自身のYouTubeチャンネル『さしはらちゃんねる』で、人中を短く見せるメイクテクニックを披露している。
世間でこれだけ人中が注目されるようになった理由は、SNSの発達も影響していると倉田さんが続ける。
「SNSで自分の顔写真をアップする際に、客観的に自分の顔を見る機会が増えました。それにより、これまであまり気にとめなかった顔全体のバランスにも意識が向かい、人中といった細かい部分まで、気にするようになったのです」
加齢で人中が長くなり老けて見える原因に
マスク生活で口元が隠れているときは美人に見える人が、“マスクをとったら鼻の下が間延びして別人のようだった”という話をよく耳にする。それだけ人中の長さは、顔立ちの印象を左右するということだろう。
生まれつきそうというわけではない人でも、年々、人中が長くなってきたと感じるのは、加齢で表情筋が衰えることに一因がある。
メイクアップアーティストのレイナさんは、最近のマスク生活それ自体が、人中を長く見せる要因を作り出していると指摘する。
「マスクをしたまま声を抑えて会話をすると、表情が乏しくなってしまいます。それにより表情筋が衰え、鼻の下が長くなったと悩む人が増えているのです」(レイナさん・以下同)
では、手っ取り早く人中を短く見せるにはどうしたらいいのか。オーバー40にも簡単にできるメイク術を教えてもらった。
「ポイントは、唇をオーバー気味に描き、鼻の下と上唇の間を短く見せること。リップライナーはマットなもので明るめのピンクベージュを選ぶと、よりふっくら感が出せます。
さらに、パール入りのグロスなどで上唇の中央に輝きをプラスすると、ぷっくりとした唇に」
また、リップを描く前に口元にフェイスパウダーをつけておくと、リップライナーが落ちにくくなる。