MLBオールスターゲームでは「特別ルール」のもと、史上初となる一番・投手での「二刀流出場」を果たした大谷翔平。ホームランダービーでは延長戦の末惜しくも初戦敗退となったが、投げては球速160km/hを連発。世界を熱狂させる大谷の超人プレーを支える土台は、徹底的に自己管理された「食事」にあった。
世界最高の選手が集うメジャーリーグ。平均体重95kgを超える選手たちの強靱な肉体を支えるために、食事のサポートも至れり尽くせりだ。
シーズン中はクラブハウスで3食が提供される。各国の多種多様なメニューが用意されるビュッフェスタイルで、選手は自分の好みやその日の体調に応じて、自由に選ぶ。
そんなメジャー選手のなかでも「違う次元に向かっている」(ヤンキースのアーロン・ブーン監督)と称される大谷翔平は、“食への探究心”でもはるか先を行っている。
野球専門メディア「Full-Count」MLB担当・小谷真弥氏が語る。
「クラブハウスのメニューは豊富ですが、遠征地で実際に選手のプレートを見るとチキンやステーキなど肉が中心で、そこは“やはりアメリカだな”と感じます。大谷選手は日本時代から独自に受けてきた食事指導をもとに、数あるビュッフェのメニューから栄養を計算し取捨選択して食べています」
大谷は2015年4月に明治のプロテインブランド「ザバス」とアドバイザリー契約を結び、以来、同社所属の管理栄養士から栄養面でのサポートを受けてきた。
具体的には、主食・主菜・野菜・果物・乳製品を揃える「栄養フルコース型」の食事だ。20代の一般男性の1日の摂取カロリーの目安は2300kcalだが、大谷の場合はその倍近く、4500kcalを摂取する。
特にたんぱく質へのこだわりは強く、豚ヒレ肉や鶏胸肉、鶏ささみ、魚介類など、脂質が少ないものを選別する。