「毛髪・美容・健康のウェルネス産業」を謳うアデランスが電機メーカー・シャープとともに、ヘアドライヤーを開発した。髪を乾かす機能に加え、自宅でスカルプ(頭皮)エステが楽しめるこの商品に備えられた数々の技術とは──。
アデランスとシャープの共同開発商品は2017年から発売されており、5月に新発売された『N-LED Sonic KAMIGA』(4万7300円)が第5弾となる。
アデランスの津村佳宏社長は「企業同士のコラボレーションなくしてイノベーションは起こらない」と常々考え、かねてからシャープの独自技術プラズマクラスターに熱視線を注いできた。
本商品は、プラズマクラスターイオンの作用でブラッシング時の静電気を96%低減し、キューティクルを守り、カラーリングした髪の退色や枝毛・切れ毛をケアすることができるという(同社従来機比)。さらに、水分子で囲まれたプラズマクラスターのプラスとマイナスのイオンを髪に届けることによって、美髪を目指せるとのことだ。
また、2つの吹出口からの風が髪を立体的に押し分け、髪の表面をドレープ状になびかせることで広範囲に髪を乾かせ、乾燥時間を短縮できるのも特長だ。これは、ヘアサロンで美容師が行っている、ドライヤーを片手に2台持って乾燥させるテクニックからヒントを得たもので、この「ドレープフロー」技術によって、乾燥時間が約50%短縮できたという(同社従来機比)。
加えて、熱ダメージや過乾燥を抑える「センシングドライモード」もある。
乾燥時にドライヤーを髪に近づけすぎると、ケラチン(髪の主成分であるたんぱく質)が変性し髪を傷めてしまうが、本商品は、吹出口と髪の距離を測る距離センサーが風の温度を自動的にコントロールしてくれるので、ヘアスタイルの違いや髪のコンディションなどにかかわらず、髪をいたわりながら乾かせる。
サロン事業やスカルプケアを行うアデランスならではの技術が生かされたのが、スカルプエステを楽しめる「KAMIGAモード」と、付け替え可能な2種類の「かっさアタッチメント」だ。
アタッチメントの「カミガハンド」は、人の指をイメージした12本の長い突起が特長で、頭の丸みをとらえてフィットし、上下左右にスライドさせたり、バウンドさせたりすることで、頭皮に心地よい刺激を与える。「カミガかっさ」は、ポイントケア用の短いハンドになっており、弾力・形状の異なるシリコンピンで、気になる部分を集中的に刺激することができ、育毛剤塗布後の頭皮ケアをしたいときにも使える。
同社のアンケートによると、理美容師などプロが抱く「総合満足度」は96%、一般のユーザーからも口コミなどで高評価を受けている。4万円台後半というドライヤーとしては高価な商品ながら好評を博しているのも、美髪とスカルプケアというアデランスが打ち出す価値観が広く受け入れられた結果だろう。さまざまな高級ドライヤーがしのぎを削る現在、『KAMIGA』がその一翼を担っているのも大いにうなずける。
※女性セブン2021年7月29日・8月5日号