7月9日より公開された北村匠海(23才)主演の映画『東京リベンジャーズ』。最初の土日2日間で38万6000人を動員し、興行収入は5億2800万円を記録、映画ランキングも首位でのスタートを切った。2週目も順調に数字を伸ばし、観客動員数は累計で110万人、興行収入は15億円を突破している。人気若手俳優陣が勢揃いしているだけに、大きな注目を集めている本作。映画や演劇に詳しいライターの折田侑駿さんは、若手俳優陣の中でも特に“MVP”を贈りたいのがキヨマサ役を務めた鈴木伸之(28才)と話す。
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本作を一言で表すならば、“ヤンキーSFアクション”映画。不良同士の友情や敵対者たちとの抗争、タイムリープなどのSF要素が有機的に絡み合い、作品を構成している。そこに俳優たちの好演も加わって、劇場に足を運んだ多くの人が高い満足度を得ているようだ。TwitterなどのSNSでは、「演技に引き込まれてあっという間に2時間が過ぎる」、「マンガの実写映画なのに、登場人物たちに違和感がない」といった口コミが多く見られる。
本作は、『週刊少年マガジン』(講談社)にて連載中の和久井健による同名マンガを、『ハンサム★スーツ』や実写版『映像研には手を出すな!』などを手掛けた英勉監督(53才)が実写映画化したもの。20代後半に差し掛かっても冴えない日々を送る主人公が、高校時代の恋人の訃報を知り、不意に10年前へとタイムリープ。愛する人の死を防ぐため、そして何より、自分自身の“現在”を変えるために奮闘する姿が描かれる。
物語のあらすじはこうだ。ある日、高校時代の恋人が殺されたことを知った主人公・タケミチ(北村匠海)。事件には、ヤクザも恐れる半グレ集団・東京卍會がどうやら関与しているようだ。事件を知った翌日にタケミチは、駅のホームから転落。目を覚ますと、なぜか10年前の高校時代にタイムリープしていた。恋人を救うため、自分の人生を変えるため、タケミチのリベンジが始まる。
先の口コミのとおり、本作では物語の設定や、各キャラクターに適した俳優が配されている。ボリュームのあるマンガを映画の尺に収める過程で、原作から削られたり改変されたりする箇所があるが、それでも、キャスティングに関しては多くの原作ファンの納得の声が聞かれる。快活な演技で“作品の顔”を務めた北村匠海や、過去と現在で一人の人間の“陰と陽”とを演じ分けた磯村勇斗(28才)、その佇まいと熱量で人気キャラに命を与えた吉沢亮(27才)と山田裕貴(30才)コンビなど、俳優たちの演技の質の高さを挙げればキリがない。その中でも、筆者が圧倒的に心を掴まれたのがキヨマサ役を演じる鈴木伸之だ。