第1作の放送開始から今年で50周年となった『仮面ライダー』。現在は、シリーズ32作目となる『仮面ライダーセイバー』(テレビ朝日系)が放送中だ。2000年放送の『仮面ライダークウガ』以降の作品には、若手時代の人気俳優が多数出演。佐藤健(32才)、菅田将暉(28才)、福士蒼汰(28才)、吉沢亮(27才)は、いずれも仮面ライダーに出演していた。
主役の仮面ライダーはじめ、ほとんどの出演者は、オーディションで選ばれている。東映プロデューサーで2001年『仮面ライダーアギト』から制作に関わっている武部直美さんはこう話す。
「オーディションは、だいたい4人一組で話を聞きます。ほとんどが演技経験のない新人ですが、仮面ライダーで求められるのは演技力より人間力。1年間50話ほどの作品を演じるので、どうしても途中から本人がすけて見えてしまうんです。だから、本人の人柄を見る質問をします」(武部さん・以下同)
たとえば、こんな感じだ。
「“好きな食べ物は?”“今日、どうしてその服を選んだのですか?”“あなたのお国自慢を教えてください”など、演技とは関係ない質問ばかり(笑い)」
オーディションには数千人単位の応募があるが、それでも決まらないことも多い。
「どんなにルックスがよくて、演技がうまくても、キャラクターに合っていなければ起用には至りません。“よりどりみどり”だろうと思われがちですが、実は、砂漠で指輪を探すような思いで探しているんです」
オーディションで決まらなかった場合は、芸能事務所に声をかけて探す。2007年『電王』も最初のオーディションでは決まらなかった作品だ。
「“大事な主役なんで誰かいませんか?”と、あちこち声をかけました。それで、プロフィールが送られてきたのが佐藤健さんでした。彼は当時、大学進学か芸能界を続けるか迷っていたところで、マネジャーさんから『仮面ライダーのオーディションが、もう一度あるみたいだから受けてみない?』と、すすめられたようです」