東京オリンピックの女子ソフトボールで日本代表は、7月27日に米国代表と金メダルをかけて対戦することが決まった。チームの中心にいるのはやはり、上野由岐子だ。長きにわたって世界トップレベルの力を維持する彼女の原動力は、一体どこにあるのか。
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オープニングラウンドを4勝1敗で終えた日本代表。チームに勢いをつけたのは、5戦中3戦で先発マウンドに上がったチーム最年長のエース上野由岐子の力投だろう。
7月22日のメキシコ戦では好投したものの、2-1と1点リードで迎えた最終7回に同点に追いつかれ降板。この日39回目の誕生日を迎えた上野は、その場面を「最後はいっぱいいっぱいだった。39歳をリアルに感じながら投げてました(笑)」と振り返ったが、彼女の粘投がチームの延長サヨナラ勝ちに結び付いたのも事実だ。
7月25日のカナダ戦では、相手金属バットをへし折るというマンガさながらの離れ業も演じた。藤田倭や後藤希友といった中堅・若手の活躍が光るが、大ベテランの奮闘がその良い流れを呼び込んでいる。
上野はメキシコ戦後に、福島の地でプレーした2戦を、次のように振り返ってくれた。
「復興五輪として福島の地が選ばれて、風評被害などある中で、福島の方たちがこの五輪を成功させてくれている……。そういう思いに自分たちがどれくらい応えられるかってことが、答えだと思う。そういうプレーをこのグラウンドで、このマウンドでやりたい強い思いがあった。そういう意味では、1球1球、思いを込めて大事に投げられたので、自分の持っているすべてをこのグラウンドに置いてこられたかなと思います」
上野の活躍により悲願の五輪金メダルを獲得した2008年北京大会を最後に、ソフトボールは正式種目から除外された。その13年後の東京大会のマウンドに、再び上野が立っている。競技を続けて来られた原動力とは何か? 大切なことは、「モチベーション」だという。
「気持ちがすべてだと思っている。意欲があるからこの年齢でもプレーできている」(上野)
そして、そのモチベーションの核となる感情について、「ソフトボールが好きって想い。そして投げていて楽しいと感じる想いです」と明かしてくれた。
スポーツを好きなこと。スポーツを楽しむこと。