東京五輪を横目に、次期衆院選に向けて各地が騒がしくなっている。衆院大分1区の自民陣営は、今期限りで引退を表明していた現職の穴見陽一氏(52)の後任となる公認候補者を2019年、公募によって決定した。選ばれたのは元米通信社記者の高橋舞子氏(33)だ。自民党関係者が語る。
「東京出身の落下傘候補で、実際は甘利明・税制調査会長の“ゴリ押し”で選ばれました。甘利氏を『政治の師』と仰ぎ、彼女のSNSは甘利氏との写真で溢れています。6月末には甘利氏が2日間にわたって大分にまで激励に駆けつけました」
穴見事務所に「間借り」していた高橋氏だが、5月下旬に自身の事務所を構えた。穴見事務所との「決裂」があったという。
「当初は穴見事務所の秘書らがサポートに回っていましたが、事あるごとに『甘利先生が』と名前を出す高橋氏と、事務所関係者や地元支援者との間で諍いが絶えなかった。彼女の言動に不信感を募らせる声が高まり、高橋氏がアピールしている経歴に“盛り過ぎじゃないか”と疑義があったのです」(同前)
自民党大分県第一選挙区支部長である高橋氏の公式ホームページには、
〈平成23年 松下政経塾 入塾(32期生)〉とある。写真つきの詳細ページには、「松下政経塾」の項目もあり、〈同じように政治を志す同志と寝食を共にし、熱い思いを語り合って切磋琢磨できた時間は私の宝物です〉と綴られている。地元紙の記事でも〈松下政経塾で学び〉〈松下政経塾を経て〉といった文字が並び、新人候補のアピールポイントであるようだ。
が、高橋氏を知る松下政経塾の関係者が語る。
「高橋氏は4年制(当時)の政経塾を1年で退塾しています。政経塾は定期的に行なわれる『研究実践審査会』をパスできずに去る人はいます。ただ、高橋氏はその審査会を受ける前に辞めた珍しいケース。政治や論文の教育を受ける前の段階です。塾員からすればとても“松下政経塾で勉強した”とは言えず、アピールされるのは残念です」
松下政経塾に問い合わせると、「高橋氏は退塾しており、卒塾しておりません。退塾した場合は『出身』『卒塾』『塾員(卒塾生の呼称)』の表記はできません」との回答。