ライフ

新型コロナワクチン2回目接種後死亡77事例 予診票に書かれた「服用薬リスト」

ワクチン2回目接種後の死亡例を専門家と共に見る(写真はイメージ/時事通信フォト)

ワクチン2回目接種後の死亡例を専門家と共に見る(写真はイメージ/時事通信フォト)

 7月21日、厚労省のワクチン分科会副反応検討部会で、「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例」が16日までに751件に上ったことが発表された。

 前回(7月7日)発表の556件から約200件増え、内訳はファイザー製746件(2月に接種開始)、モデルナ製5件(5月に接種開始)だった。

 このデータは予防接種法が定める「副反応疑い報告」制度により全国の医療機関などから届いた報告を集計したもの。21日の同部会では、ファイザー製663件とモデルナ製4件の死亡事例について、専門家による因果関係評価が公表された。

 それによると、ワクチンと死亡との因果関係が認められない「β」評価はファイザー製3件のみ。情報不足等によりワクチンと死亡との因果関係が評価できない「γ」評価がファイザー製660件、モデルナ製4件と大半を占めた。因果関係を否定できないとする「α」評価はゼロだった。

「ファイザー製ワクチン接種後の死因で目立つのは心不全(73例)、虚血性心疾患(67例)、肺炎(53例)などで、年齢別では65歳以上が621例、65歳未満は38例でした。また今回は死亡例以外の副反応報告で、軽症の心筋炎・心膜炎の報告が31件あり、2回目接種後数日以内に発症する若年男性が多いとの報告がありました」(厚労省担当記者)

 発熱や頭痛などのコロナワクチン副反応は2回目のほうが強いとされる。ナビタスクリニック川崎の谷本哲也医師が語る。

「ワクチンは複数打つものが多くあります。これは1回目に基本的な免疫反応を細胞に“記憶”させ、2回目以降を打つことでさらに強い免疫反応を起こして、免疫力を長持ちさせるためです。その分、2回目の副反応は強くなりますが、これは新型コロナワクチンに限らず免疫一般の反応です」

 厚労省が公表した資料「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」によれば、2回目の接種後の死亡例は214件。この資料では、因果関係の評価が出ていないケースも含め、死因のほか、基礎疾患の有無や詳細、服用薬などが記載されている。

 これらは、ワクチン接種時の「予診票」に記されていた内容だという。基礎疾患や服用薬について事前に確認し、かつ、死亡後に情報を公表しているのはなぜか。厚労省健康局健康課予防接種室の担当者が言う。

「基礎疾患がある方で病状が重い場合は『接種要注意者』として医師に相談してもらうためです。(死亡事例に基礎疾患や服用薬を入れているのは)安全性に関する情報周知のためで、接種を受ける人には参考にしていただきたいと思います」

 ワクチン接種による副反応や影響は、人それぞれ異なる。厚労省の公表データをどのように参考にすればいいのか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

“令和の小泉劇場”が始まった
小泉進次郎農相、父・純一郎氏の郵政民営化を彷彿とさせる手腕 農水族や農協という抵抗勢力と対立しながら国民にアピール、石破内閣のコメ無策を批判していた野党を蚊帳の外に
週刊ポスト
緻密な計画で爆弾を郵送、
《結婚から5日後の惨劇》元校長が“結婚祝い”に爆弾を郵送し新郎が死亡 仰天の動機は「校長の座を奪われたことへの恨み」 インドで起きた凶悪事件で判決
NEWSポストセブン
6月2日、新たに殺人と殺人未遂容疑がかけられた八田與一容疑者(28)
《別府ひき逃げ》重要指名手配犯・八田與一容疑者の親族が“沈黙の10秒間”の後に語ったこと…死亡した大学生の親は「私たちの戦いは終わりません」とコメント
NEWSポストセブン
「最後のインタビュー」に応じた西内まりや(時事通信)
【独占インタビュー】西内まりや(31)が語った“電撃引退の理由”と“事務所退所の真相”「この仕事をしてきてよかったと、最後に思えました」
NEWSポストセブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬・宮城野親方
【元横綱・白鵬が退職後に目指す世界戦略】「ドラフト会議がない新弟子スカウト」で築いたパイプを活かす構想か 大の里、伯桜鵬、尊富士も出場経験ある「白鵬杯」の行方は
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問される佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
《ブラジルへ公式訪問》佳子さま、ギリシャ訪問でもお召しになったコーラルピンクのスーツで出発 “お気に入り”はすっきり見せるフェミニンな一着
NEWSポストセブン
「日本人ポップスターとの子供がいる」との報道もあったイーロン・マスク氏(時事通信フォト)
イーロン・マスク氏に「日本人ポップスターとの子供がいる」報道も相手が公表しない理由 “口止め料”として「巨額の養育費が支払われている」との情報も
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
 6月3日に亡くなった「ミスタープロ野球」こと長嶋茂雄さん(時事通信フォト)
【追悼・長嶋茂雄さん】交際40日で婚約の“超スピード婚”も「ミスターらしい」 多くの国民が支持した「日本人が憧れる家族像」としての長嶋家 
女性セブン
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン