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中国がミャンマー国境に800kmの有刺鉄線のフェンス敷設 国境封鎖

ミャンマーの国境封鎖を強化する背景は?

ミャンマーとの国境封鎖を強化する背景は?

 今年2月に軍部によるクーデターが起きたミャンマーでは、民衆の抗議デモや、軍部による鎮圧などの混乱が続いている。また、新型コロナウイルスの感染の急拡大に歯止めがかからないなか、ミャンマーの隣国である中国は国境を封鎖。同時に、南西部の雲南省瑞里や麗江などの一部では山間部に約800kmに及ぶ有刺鉄線の“長城”を新たに設けて、ミャンマーの人々が中国領内に越境できないように国境封鎖を強化していることが分かった。

 この有刺鉄線はもともと中国当局がミャンマーの人々が不法に入境できないように1年前から建設を始めていたもので、すでにほとんど完成している。国際的な人権団体などは「中国の人権無視の姿勢の現れだ」と批判している。米政府系報道機関「ラヂオ・フリー・アジア(RFA)」が報じた。

 ミャンマーの保健当局の発表によると、7月26日までに確認された新型コロナウイルスの感染者は累計で27万4000人に上り、このうち7月に入ってから確認された感染者は全体のおよそ4分の1を占めている。

 1日に確認される死者数も連日300人以上に上るなど、感染拡大に歯止めがかからない状態で、ミャンマー国内では火葬場が対応しきれない事態となっているという。

 このような状況のなか、神経を尖らせているのが中国政府で、新型コロナウイルス感染者が中国領内に入ってくることができないように、昨年から国境沿いに有刺鉄線のフェンスを建設している。これについて、ミャンマーでは「有刺鉄線の万里の長城」と呼ばれている。

 雲南省の25の県は、ミャンマー、ラオス、ベトナムと国境を接しており、中国の国境線は4060kmにも及んでいるが、そのうち、中国・ミャンマーの国境線は約2000kmに達している。

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