「われわれは恋愛の専門家。恋人との関係を修復します」と持ち掛けて、約500人の失恋した男性らから多額の相談料を騙しとっていたとして、中国の上海市警察本部は「恋愛相談所」を開設していた詐欺集団69人を逮捕していたことが分かった。
騙し取っていた額は全部で700万元(約1200万円)以上、詐欺集団は相談料のほか、元カノらとの仲介料などの追加料金を吹っかけていたが、実際にはほとんど何もしていなかったという。上海のデジタルメディア「新聞」が報じた。
この恋愛相談所は主にインターネットを通じて、「心に傷を負った人々が元の恋人を取り戻す手助けをします」などの売り言葉で宣伝しており、顧客層のターゲットは主に20~30代の男性。
いわゆる「恋愛救済」の料金は2880元(約5万円)から1万2800元(約22万円)とまちまちだった。
最年少の被害者は17歳で、最悪のケースでは12万元(約210万円)を騙し取られた男性もいたという。
警察が捜査に乗り出したのは被害者男性の通報からで、この男性は「元妻と復縁したくて3万4000元(約58万円)払ったが、相談所から『元妻と交渉中』と言われている間に、元妻がほかの男と結婚していた」ことから相談所に不信感を抱き、警察に相談したという。
さらに、この男性は相談所から「彼女の現在の住所や、彼女のSNSのアドレスなどを突き止めるためには1万8000元(約31万円)が必要」といわれたほか、その数日後には「追加料金として1万5000元(約26万円)」を請求されていた。警察は内定捜査の末、相談所などの拠点を家宅捜索し、60人以上の「恋愛専門家」を逮捕した。
さらに、相談所の「社長」が逃走したため、その行方を追っていたところ、山東省で登録された複数の教育コンサルティング会社を経営していることが分かり、逮捕したという。
主犯格の男は、恋愛相談所を会社登録してはすぐに抹消して、証拠を隠滅して、他に同じような会社を設立することを繰り返していたという。
中国では、恋愛相談は最近、急成長している市場だが、何の規制もなく野放し状態というのが実情だという。