2021年上半期の様々なランキングで、歌手のAdoが大きな存在感を発揮している。爆発的にヒットした「うっせぇわ」で知られる彼女だが、持ち前の歌唱力でその他の楽曲も話題を呼んでいるのだ。彼女の歌には専門家も舌を巻く秘密があった。
女子中高生向けのマーケティングを手がける株式会社AMFがまとめた「JC・JK流行語大賞2021上半期」の“ヒト部門”で1位を獲得するなど、若年層を中心にカリスマ的な人気を誇っているAdo。代表曲「うっせぇわ」がやはり人気だが、その後にリリースされた楽曲も評判だ。
例えば2月リリースの「ギラギラ」は、累計ストリーム数が5000万回を突破し、日本レコード協会によって6月に“ゴールド”に認定された。YouTubeに投稿されたMVはすでに6000万回以上再生されている。4月リリースの「踊」も人気で、ストリーム数は3000万回以上。同じく日本レコード協会から“シルバー”に認定されており、MVの再生回数は6000万回以上と好調を保っている。
「ギラギラ」と「踊」のMVは、株式会社BitStarが7月19日に発表した「2021年上半期 動画再生数ランキング」でもランクイン。1位はYOASOBIの「怪物」だったが、2位(「ギラギラ」)と3位(「踊」)をAdoが占めることになった。
そんなAdoの魅力としてよく言及されるのが“歌唱力”だ。では具体的にどのような点が優れているのだろうか。ボイストレーナーのいくみ氏は、Adoの歌声についてこう評価する。
「Adoさんの曲では、1曲の中に何人もの歌手が歌っているかのような様々な声色が出てきます。例えば低音部分の場合は宝塚の男役のような男性らしく芯のある声、逆に高音部分は女性ではかなり高い音(hiG♯など)までも違和感なく出してきます。さらに裏声は声楽歌手のような太い裏声を使います。最近の歌手の中では聞かない特徴のある声の出し方ですね」(いくみ氏)