芸能

C-C-B笠浩二「筒美京平先生はヒット曲だけでなく自信も与えてくれた」

C-C-Bの『Romanticが止まらない』も筒美作品の一つ

C-C-Bの『Romanticが止まらない』も筒美作品の一つ

 作曲家・筒美京平さんは、多くのアーティストに名曲を提供してきた。C-C-Bの『Romanticが止まらない』も筒美作品の一つだ。ドラマー兼ボーカルとして同曲でブレイクした笠浩二が、筒美さんへの思いを語った。

 * * *
「ココナッツボーイズ」というバンド名でデビューしたのは1983年。プロデューサーは筒美京平先生の実弟・渡辺忠孝さんでした。コンセプトは“和製ビーチ・ボーイズでシングルとアルバムを2枚ずつ出しましたが、ヒットに至らず。次も売れなかったら解散か? という時に出合った曲が『Romanticが止まらない』(1985年)でした。

 渡辺さんは第3弾シングルを作るにあたって、お兄さんに作曲を依頼。筒美先生は松本隆先生の作詞を条件に引き受けてくれたそうです。僕らも心機一転、髪をカラフルに染めて、バンド名を「C-C-B」に変えました。当時、新しかったシモンズ社の電子ドラムを僕が買ったのも同じ頃です。

 船山基紀さんのアレンジを聴いた時は「この曲、絶対に売れる!」と確信しました。でもその後が大変だった。それまで歌はコーラスくらいしかやったことがなかった僕がなぜかメインボーカルに指名されて猛特訓が始まったんです。あとで知ったことですが、それは筒美先生の指定でした。先生は僕の高い声を気に入ってくれていたんですね。

 レコーディングでは緊張してメロディを間違えてしまったんですが、先生は「君の歌い方でいいんだから、堂々と歌いなさい」と。嬉しかったです。それまでは自己評価の低い人間でしたが、先生の言葉がきっかけで自信を持てるようになりました。

 ドラマのタイアップもついた『Romantic~』はバンドにとって初のベストテン入り。その頃、先生から「3位になったら、常にその位置をキープできるよう頑張りなさい」と言われたことも忘れられません。その後も多くのヒット曲を書いていただきましたが、先生の曲はどれも日本語がきちんと伝わってくる。それは日本人のリズム感や感性を、先生が知り尽くしていたからだと思っています。

【プロフィール】
笠浩二(りゅう・こうじ)/1962年生まれ、福岡県出身。1985年、C-C-Bのドラマー兼ボーカルとして『Romanticが止まらない』が大ヒット。1989年のバンド解散後はソロとして活動中。

取材・文/濱口英樹

※週刊ポスト2021年8月13日号

あわせて読みたい

関連記事

トピックス

2人の間にはあるトラブルが起きていた
《浅田真央と村上佳菜子が断絶状態か》「ここまで色んな事があった」「人の悪口なんて絶対言わない」恒例の“誕生日ツーショット”が消えた日…インスタに残された意味深投稿
NEWSポストセブン
6月15日のオリックス対巨人戦で始球式に登板した福森さん(撮影/加藤慶)
「病状は9回2アウトで後がないけど、最後に勝てばいい…」希少がんと戦う甲子園スターを絶望の底から救った「大阪桐蔭からの学び」《オリックス・森がお立ち台で涙》
NEWSポストセブン
発見場所となったのはJR大宮駅から2.5キロほど離れた場所に位置するマンション
「短髪の歌舞伎役者みたいな爽やかなイケメンで、優しくて…」知人が証言した頭蓋骨殺人・齋藤純容疑者の“意外な素顔”と一家を襲った“悲劇”《さいたま市》
NEWSポストセブン
反日的言動の目立つ金民錫氏(時事通信フォト)
韓国政権ナンバー2・金民錫首相の“反日的言動”で日韓の未来志向に影 文在寅政権下には東京五輪ボイコットを提起 反日政策の先導役になる可能性も
週刊ポスト
6月6日から公開されている映画『国宝』(インスタグラムより)
【吉沢亮の演技が絶賛】歌舞伎映画『国宝』はなぜ東宝の配給なのか 松竹は「回答する立場にはございません」としつつ、「盛況となりますよう期待しております」と異例の回答
NEWSポストセブン
さいたま市大宮区のマンション内で人骨が見つかった
《さいたま市頭蓋骨殺人》「マンションに警官や鑑識が出入りして…」頭蓋骨7年間保管の齋藤純容疑者の自宅で起きた“ある異変”「遺体を捨てたゴミ捨て場はすごく目立つ場所」
NEWSポストセブン
フランスが誇る国民的俳優だったジェラール・ドパルデュー被告(EPA=時事)
「おい、俺の大きな日傘に触ってみろ」仏・国民的俳優ジェラール・ドパルデュー被告の“卑猥な言葉、痴漢、強姦…”を女性20人以上が告発《裁判で禁錮1年6か月の判決》
NEWSポストセブン
ホームランを放った後に、“デコルテポーズ”をキメる大谷(写真/AFLO)
《ベンチでおもむろにパシャパシャ》大谷翔平が試合中に使う美容液は1本1万7000円 パフォーマンス向上のために始めた肌ケア…今ではきめ細かい美肌が代名詞に
女性セブン
ブラジルへの公式訪問を終えた佳子さま(時事通信フォト)
《ブラジルでは“暗黙の了解”が通じず…》佳子さまの“ブルーの個性派バッグ3690レアル”をご使用、現地ブランドがSNSで嬉々として連続発信
NEWSポストセブン
告発文に掲載されていたBさんの写真。はだけた胸元には社員証がはっきりと写っていた
「深夜に観光名所で露出…」地方メディアを揺るがす「幹部のわいせつ告発文」騒動、当事者はすでに退職 直撃に明かした“事情”
NEWSポストセブン
異物混入が発覚した来来亭(HP/Xより)
「生肉からの混入はあり得ないとの回答を得た」“ウジ虫混入ラーメン”騒動、来来亭が調査結果を公表…虫の特定には至らず
NEWSポストセブン
“超ミニ丈”のテニスウェア姿を披露した園田選手(本人インスタグラムより)
《けしからん恵体で注目》プロテニス選手・園田彩乃「ほしい物リスト」に並ぶ生々しい高単価商品の数々…初のファンミ価格は強気のお値段
NEWSポストセブン