あの体で無観客の会場を訪れたら目立つことくらいわかりそうなものだが……。横綱・白鵬が7月27日の東京五輪柔道会場に姿を見せていたことが発覚。国際柔道連盟(IJF)のビゼール会長が、男子73kg級で金メダルを獲得した大野将平と白鵬が一緒に写ったスリーショットを自身のツイッターに投稿したことで、観戦の事実が判明した。
「相撲協会への事前申請はなく、芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は会見で『常識、非常識が全く分かっていない』『ルール破りの常習。大きな問題だ』などと厳しく批判しました。何らかの処分がなされる可能性がある」(協会関係者)
とんだとばっちりとなったのは、2016年リオ五輪に続く2連覇の偉業を成し遂げた大野だろう。もともと同い年であるモンゴル出身力士の新横綱・照ノ富士とは友人で、今大会で金メダルを獲得した際には、照ノ富士からのお祝いメッセージも報じられた。
「大野選手は、照ノ富士と親交があることから白鵬や鶴竜らモンゴル勢とも親しくなったといいます。大野選手が両国国技館に観戦に訪れた際に支度部屋に姿を見せたり、日本武道館での世界選手権で大野選手の応援のために鶴竜らが姿を見せたこともある。また、白鵬は全日本柔道連盟会長でJOC会長の山下泰裕氏とも親しく、山下氏が白鵬のパーティに出席して挨拶をするなど、柔道界とモンゴル出身力士たちの間には色々と縁がある」(若手親方)
もちろん、今回の白鵬の“単独行動”については、大野には責任のない話だが、「ちょうど直前の名古屋場所での白鵬の傍若無人な取り口に業を煮やしていたところだったので、協会幹部らは“追及できるいい材料が出てきた”と思っているはず」(同前)という。
井上康生監督との抱擁のツーショットは見る者の感動を呼んだが、こちらのスリーショットはさらなる騒動を呼ぶことになりそうだ。
※週刊ポスト2021年8月20日号