東京五輪は、日本勢の“金メダルラッシュ”に沸いた。その裏で、ひとつの決意を固めた “元日本代表”がいた。かつて水泳のジュニア向け世界大会に日本代表として出場し、個人メドレーの200m・400mの2種目で金メダルを獲得したMさんだ。
Mさんはその実力から、東京五輪やパリ五輪での日本代表入りが期待されていたが、2年前に突如水泳を辞め、今回、週刊ポストで水着を脱いだ姿でグラビアに登場する決心をした。
「3歳から水泳を始め、高校時代まで水泳だけに打ち込みました。大学に進学して本格的に五輪を目指し始めましたが、そこで筋力の壁にぶち当たったんです。筋トレ不足で練習についていけず、自分がどう水を掴み、どう泳いでいたのか分からなくなってしまいました。私は五輪に出ても金メダルを獲る自信はない、と気づいたんです」
そんな彼女が、次のステップとしてグラビアに登場することを決めたのはなぜか。
「水泳を辞めてから2か月間、毎日泣きながら自分と向き合いました。水泳では小さい頃から人前に立って上を目指してきたから、今後も人前に出て上を目指せる自分でありたかった。そのとき、ずっと水着で競ってきた私の中に、抵抗感なくこの世界が思い浮かびました。五輪は複雑な気持ちで見ましたが、グラビアはこれからの私が輝ける、全く新しい第二のステージだと思っています」
撮影/LUCKMAN、取材・文/河合桃子
※週刊ポスト2021年8月20日号