7年近くに及ぶアイドル活動を経て、2019年にソロで初めてバラエティに出演以来、TVのみならず舞台、ラジオ、モデルと飛躍的に活動しているファーストサマーウイカ(31)。今年の2月には音楽活動でソロデビューを果たし、同年6月にリリースされたシングル『帰り花のオリオン』では作詞作曲を霜降り明星・粗品(28)が手がけ、ドラマ主題歌に決定するなど活躍の場を広げている。
ここ数年で一気にタレントとしての地位を確立しているように見える彼女。しかし、芸能活動は2008年ごろからスタートしており、劇団員、アイドルと下積み時代を長く過ごしてきた。厳しくも自身の顔を「中の下」と分析している彼女は、“3つのキーワード”で自分をアイコン化しようとセルフプロデュースを始める。メディアで見かけるかきあげ前髪の「宝塚ヘア」、「こてこての関西弁」、そして「毒舌」は、彼女がアイドル時代に培ったアイコン化のための“鎧”だ。「アイドル」という存在は、グループで活動していてもそれぞれが“自分が1番”とアピールする厳しい市場に晒されている。生き残りを懸けての戦地で自分が目立てる陣地を模索した。
バラエティ番組では歯切れの良いコメントと、大口を開けて笑う彼女の明るい面が印象的だ。そんな雰囲気から一転、彼女のリアルな素顔が垣間見えるのが毎週月曜日にパーソナリティを務めるラジオ、「ファーストサマーウイカのオールナイトニッポン0(ZERO)」である。
2020年春からレギュラーとしてパーソナリティを務めている1時間30分の生放送だ。彼女をウォッチし続けているという20代女性ファンはこう語る。
「ラジオでのウイカさんの魅力は、“素”であること。オープニングトークはだいたい、直近の仕事の話から始まるのですが、バラエティのイメージとは異なって、仕事に対するまっすぐな思いが伝わってくるんです。
6月に終演した舞台『カメレオンズ・リップ』後の放送では、座組みへの思いについて語っていた。今まで出演してきた舞台の中で、別れるのが本当に辛い座組みであったこと。コロナ禍で仕事を頂けるありがたさ。テレビのようなテンポ良いトークとは一転、感傷的に間をとりながらポツリポツリと話していたのが印象的でした」