東京五輪で優勝したソフトボール・後藤希友の金メダルを噛んだことで日本中から批判にさらされている河村たかし・名古屋市長。「配慮が足りなかった」と謝罪したが、果たして反省しているのだろうか。
河村市長の品格を欠いた言動はこれが初めてではない。本誌・週刊ポスト記者の目前で行なわれたことがある。
2014年7月26日に中部国際空港で「世界コスプレサミット」の開会式が開催された。世界30か国以上から日本のマンガ・アニメのコスプレ愛好家が集うイベントで、03年より名古屋で開かれている。開会式のテープカットに大村秀章・愛知県知事と共に招かれた河村市長は、登壇するや観客が目を丸くする行為に及んだ。
壇上にいた声優の伊藤美来(24)の肩に手を回し、抱きついたのだ。突然の“ご乱行”に観客席からはブーイングが上がったが、河村市長は気にも留めなかった。
彼女のファンだという他のイベント参加者は、今もその場面を鮮明に覚えている。
「今でこそ人気アニメの主演を務めたり、少年誌の表紙を飾るなど人気声優のみっく(伊藤の愛称)ですが、当時は未成年で実績乏しい新人声優にすぎなかった。みっくは河村市長に抱きつかれて驚いた顔を見せましたが、抵抗もせず苦笑いを浮かべるだけでした。ファンとしては許し難いことです」
今回の金メダル騒動を受け、ツイッター上では他の参加者からも〈河村たかしを今でも許してないよ〉と怒りの投稿が見られる。
当事者の河村市長はどう考えているのか。名古屋市に問い合わせると、「出席しているという資料は残っているのですが、状況もわからないため、お答えしづらい」(観光推進課)とのこと。
※週刊ポスト2021年8月27日・9月3日号