「女性活躍」が政府の成長戦略に掲げられてから7年経つが、世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数では、日本は156か国中120位と遅れている。とはいえ、帝国データバンクの調査では、女性社長比率は過去最高を記録したという。ジャーナリストの山田稔氏がその実態に迫る。
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帝国データバンクが7月に発表した全国「女性社長」分析調査(2021年)の結果が興味深い。全国約117万社を対象にしたもので、2021年4月時点における女性社長比率は、前年比0.1ポイント増の8.1%となり過去最高を更新した。1990年は4.5%だったからこの30年間で3.6ポイント増加したことになる。
「内部昇格」が少ない女性社長
意外だったのは年代構成比だ。もっとも高かったのは「70─74歳」で15.9%。次いで「65─69歳」の13.2%、「60─64歳」の13.1%で、平均年齢は63.2歳で前年よりもプラス0.2歳。男性社長の平均60.7歳を大きく上回っているのだ。もっとも、直近1年間に就任したケースでは、「50─54歳」が15.3%で最多。50代が全体の約3割を占めている。
就任の経緯をみると、「同族承継」が50.8%と全体の半数を占める。「創業者」も35.3%と多い一方で、「内部昇格」は8.3%にとどまっている。やはり組織内で男性と競って実力で社長に上り詰めるのは難しいようだ。
資本金規模で見ると「1億円以上」はわずか2.3%。「1000万円未満」が9.1%で最も多く、中小・零細企業の比率が高い。業種で高いのは保育所、化粧品販売、美容業、老人福祉事業、結婚相談・式場紹介、各種学校など。これらは業種内の女性社長比率が3割を超えている。
都道府県別でみると、上位は(1)沖縄県11.4%(2)徳島県11.3%(3)青森県10.9%(4)佐賀県10.3%(5)奈良県・高知県10.0%と、西日本が上位をほぼ独占している。ちなみに東京都は8.8%で16番目だ。