「クーラーは体に悪い」といわれたのは昔の話。熱中症で命を落とすリスクが高い現代は、彼岸を過ぎても朝から晩までフル稼働させるのが当たり前のこととなった。しかし、室内で快適に過ごす時間が増えるほど、体調トラブルに悩む人も増加していた──。
懸案だった東京五輪も終了し、台風シーズンを迎えた日本列島。暦の上では立秋を過ぎているが、気象庁の予測によれば10月まで高温の傾向が続き、残暑も厳しいと見込まれている。暑さはまだまだ続きそうだ。
そんな中、新型コロナウイルス新規感染者の数は毎日のように最高値が更新されるなど、まさに感染爆発が続いている。
そんな状況で私たちにできるのは、外出を控えることくらい。出かけたくなる気持ちをおさえてステイホームすることが常識となり、仕事もテレワークが浸透した。
自宅で過ごす時間が長くなるほど、使用時間が長くなるのがクーラーだ。猛烈な暑さになる昨今の夏は、室内にいても熱中症の危険があるため、クーラーを利用することを国も推奨している。
だが、頼れる味方であるクーラーにも、意外な落とし穴がある。埼玉県在住の平山清美さん(仮名・42才)が話す。
「この夏、仕事はテレワークで自宅作業、買い物はネットスーパー、休日はテレビで五輪観戦と、一日中クーラーを止めることなく家で過ごしていました。
ですが先日、急に喉が痛むようになり、咳が止まらなくなったんです。37.5℃の発熱もあったので新型コロナに感染したのかもしれないと慌ててPCR検査を受けました。結果は陰性だったのですが、咳が止まらないので病院へ行ったところ、喉が真っ赤に腫れていると言われました。さらに医師からは、クーラーの使いすぎが原因ではないかと指摘を受けました」
大阪府の自営業・児玉由香さん(仮名・49才)も、クーラーの使いすぎによる異状を感じているという。
「『エアコンはつけっぱなしにした方が省エネ』だというし、熱中症対策のためにも、数年前から真夏の間は夜もつけっぱなしにすることが増えたんです。ところが、今年の夏は例年になく肌や喉の乾燥を感じて困っています。やっぱり、家にいる時間が増えたせいでしょうか……」
ステイホームの時間が増えたことで、「咳が出る」「喉が痛い」「乾燥する」といった症状が思い当たる人は要注意だ。放置していると、取り返しのつかない体調不良へとつながる恐れがある。