小学生の「将来つきたい職業」の1位にランクインし、今もっとも注目される職業のひとつとされるYouTuber。その人気者たちは、どのような仕組みで収益を上げているのか。
YouTuberのYouTubeでの収益は、「運営するグーグルから再生数に応じて支払われる報酬」を基本とし、そのほかにも「視聴者の課金」「企業とのタイアップ」などがある。
再生報酬は一般的には1再生あたり約0.1円といわれている。配信動画に広告がつき、それが視聴されることで報酬を得られる仕組みだ。そうした動画それぞれが何十万、何百万回と再生されることで巨額の収入となる。多くの視聴者やファンを得られれば、タイアップや“投げ銭”などの直接収入も生まれる。
動画につく広告は種類によって金額が変動する。高額の購買行動が期待できるシニア向け広告の場合、1再生0.5~1円、逆に若者向け広告では0.1円を下回る場合もあるという。
広告主企業はYouTube市場をどう捉えているのか、経済ジャーナリストの寺尾淳氏が解説する。
「例えばテレビではクラシック音楽を扱う番組は少ないが、YouTube上には無数にある。コンサートの企画者などはそれらに広告を出せば、ターゲットに効率よくアプローチできる。費用対効果は高いです。今後5Gの普及と、政府が進める携帯電話料金の値下げがもっと進めば、より動画の需要が高まり市場も拡大するでしょう」
国内におけるYouTube広告の市場規模は、2015年の33億円から2022年には579億円になるという試算がある。グーグルは昨年末、国内の18~64歳の月間ユーザー数が6500万人以上と発表した。YouTubeは、まだまだ成長の期待値が高く、YouTuberにとっても魅力的な“稼ぎ場”なのだ。
※週刊ポスト2021年9月10日号