「モデルナのワクチンに異物混入があったというのを昼のニュースでやっていたので、念のため厚労省のサイトを確認したんです。自分は関係ないだろうって思って軽い気持ちだったのですが、よく見たら私が打ったワクチンのロット番号があったんです」──そう語るのは都内在住の女性(40)だ。
厚労省は8月26日、米モデルナ製の新型コロナウイルスワクチンの一部に異物が混入していたとして、一部ロットについては接種を見合わせると発表した。接種を見合わせるワクチンは、異物が混入したロット番号と、同じ時期に同じ工程で製造されたものを含め3つのロット番号(3004667、3004734、3004956)で、あわせて163万回分が使用中止となった。
厚生労働省などによると、東京都、埼玉県、茨城県、愛知県、岐阜県の接種会場のうち8か所で、合わせて39の未使用の容器に異物が混入しているのが見つかった。使用中止となったのは全国863の接種会場に配送されたワクチンになる。
女性は8月24日午前に都内の接種会場でワクチンを接種していた。
「(住んでいる)世田谷区のホームページからワクチン接種の予約をしようとしたら、その会場だけは予約に空きがあって、翌日の予約が取れたんです。それで24日に接種しましたが、会場に大勢の人が来ていて、接種後の待機中に不安だと泣いている女性もいました。その日の夜は、接種した腕に痛みがあったのと、関節痛があった程度。熱は37度台で、想像していたよりは大きな副反応はなかったです」
女性はその2日後に、異物混入で見合わせることになったワクチンを接種していたことを知ることとなった。
「自分で調べないと、該当していたことすらわからなかったということにちょっとビックリしました。接種会場では連絡先などを記入しましたが、連絡は来ていません。使用中止となったワクチンを接種した人に連絡するといったことまでは手が回らないことは理解しますけれど……。ただ、もう少しどの会場で該当するワクチンが接種されていた、といったことはわかりやすく発表してほしいですよね。私は偶然、自分で番号を調べましたが、まだ自分が打ったワクチンが該当すると知らずにいる人もいるんだろうなと思うと……」
世田谷区のホームページには〈モデルナ社製ワクチンの一部ロットの使用見合わせについて〉とあり、区の接種会場でも使用中止のロット番号に該当するワクチンを使用していたと記載し、〈なお、厚生労働省によればこれまでに対象ロットにおいて本件に関連して発生したとみられる安全性上の懸念に関する報告は受けていません〉とある。