日本に住む人々にとって、もっと身近な“害虫”といえるのが蚊だ。最近は、温暖化の影響で活動期間が長期化している蚊だが、多くの病気の媒介となり、“最も多くの人間の命を奪っている生き物”だというデータもある。
そこで、蚊から命を守るために有用な知識を紹介しよう。
日本で見かける蚊は主に2種類
世界に3000種類以上いる蚊のうち、日本には約100種類が生息する。代表的なのが、「ヒトスジシマカ」と「アカイエカ」。前者は昼から夕方に活動し、やぶや茂みで待ち伏せしているため、“やぶ蚊”とも呼ばれる。後者は夕方から夜にかけて活動。獲物を求めて飛び回るため、昼夜を問わず対策が必要だ。
蚊に刺されない方法
大日本除虫菊宣伝部の笹岡可奈子さんは、こう説明する。
「蚊は暗い所や黒い色が好きなので、服装は白っぽいものがおすすめ。その上で、虫よけスプレーの塗り方が重要です。スプレーしたら塗りムラがないように手でしっかりとのばしましょう。汗をかいたら落ちてしまうので、塗り直しも必要です」
ひざ裏などが塗り忘れしやすい。“耳なし芳一”状態になっていないか、出かける前に再チェックを。
刺されやすい人は確かにいます
よくいわれるのは血液型だが、実際の刺されやすさは誘因物質の多さだそう。
「蚊は二酸化炭素(呼気)、熱(体温)、汗のにおいを感知して寄ってきます。これら、蚊を誘引する要素が多い人ほど刺されやすいといえます」(笹岡さん)
たとえば、運動して汗をかいたまま、ビールを飲んでひと休み……なんてことをしているとアウトだ。大人に比べて体温が高い子供も蚊に狙われやすい。遊びに行くときは虫よけスプレーで予防してあげよう。
蚊を家に入れない方法
「蚊の侵入経路は窓や玄関など。蚊取り線香や液体蚊取りなど、殺虫剤を活用して対策してください」(笹岡さん)
あわせて、蚊の発生源を絶つことも重要だという。害虫防除技術研究所所長・白井良和さんは、こう話す。
「ペットボトルのキャップ程度の量の水でもボウフラは発生します。家の周囲に雨水が残りやすい場所があれば改善を。蚊が隠れやすい茂みを減らすことも予防に」
発生させない・侵入させないことが、“防蚊”の第一歩だ。
取材・文/番匠郁 イラスト/藤井昌子、サヲリブラウン
※女性セブン2021年9月9日号